ベスの思い出

昨夕ピッピの散歩の時に、”ベス！”と呼んでみました。”ニャゴー”と返事がありました。すぐ近くの家の玄関のポーチの下で雨を避けて座っていました。よそのお宅に黙って入って行くわけにもいかず、離れたところから”ベス！”と呼んであげました。その度に”ニャゴー”と答えてくれました。動物は死期が近づくと、強い動物が弱い動物を襲うそうで、ベスもミーたちが怖くて近寄れないのです。
寒さと空腹と痛みに耐えてじっとしているベスが不憫でなりませんでした。
　毎朝起きると朝御飯をもらおうと、裏口のガラス扉にその姿が映っていたベスの姿は今朝はもうありませんでした。朝のピッピの散歩の時、”ベス！”と呼んでみましたが、返事は返ってきません。ベスが好んで食べていた草を見たとき、思わず涙が溢れてきて、声を出して泣いてしまいました。
　毎朝御飯を待って裏口にいるのが当たり前と思っていましたが、この事がどんなにか私に幸せをもたらしてくれていたのか、いなくなって初めてわかりました。
　考えてみると随分と長い年月を共に過ごして来たのです。
ベスが毎日御飯を食べに来て、ピッピとの散歩に付いて来てくれるのが、どんなに幸せだったか。どんなにか私にやすらぎを与えてくれたか。今になって改めて痛感しています。野良ちゃんだったベスだけれど、私はいっぱいいっぱいの幸せを与えてもらいました。最後に救ってあげられなかったこの私を許してね！
　でもまだどこかから、”ニャーゴ”って出てきてくれるのではないかと願ってしまいます。悲しいです！　寂しいです！　ベス！ベス！　返事をして！




ベスのお母さんのももちゃん(中央)と兄たち