諦められない戦い
ヨーロピアンリーグ1回戦第2戦は、敵地アヤックスで行われる。
立ち上がりから攻めるグレートブリテンはチャールズとダレン・ベントが2本ずつシュートを放つが、悉く外してしまう。突破を試みては、アヤックスGKパドロームに阻まれ、1点を取るのにも苦労する。
そして、17分。アヤックスMFレジテ・スクールマンにレッドカードが提示された。
実況「あーっと、レジテ・スクールマン選手にレッドカード。これで、アヤックスは1人少ない10人で戦わなくてはなりません」
グレートブリテンにとっては、逆転のチャンスだ。
だが、アヤックスは1人少なくても、持ち前の連携でグレートブリテンに得点を許さない。前半は0-0で後半へ。
グレートブリテンの控室では、ナサン・コリンズ新監督のミーティングが行われていた。
「後半は45分もある。まずは、1点取ればいい。そうすれば、自然とこちらに流れが傾いて一気に逆転も可能だ。そうならなくても、最悪1点取って勝負は延長戦に持ち込む手もある」
冷静で何通りもの戦略を持つと言われた若手監督と言われるだけのことはあった。
だが、後半のアヤックスは違った。
57分、左からのクロスに主将のフランク・ファン・エメリクがシュートを放つも、これは枠の上に外れた。それでも、10人とは思えない戦いぶりである。
61分、ケルガンが下がり、ブロミナーが入る。ここで、流れを変える作戦に出た。
コリンズ(大丈夫だ、向こうは10人。1点取って延長に持ち込めば消耗する)
71分、ダレン・ベントが突破するが、またもパドロームに抑えられた。
79分、ジェームズ・ミルナーからジェイミー・ティアニーに交替。これで、2度目の流れを変える作戦だ。
82分、ブロミナーのスルーパスからチャールズが抜け出し、左からドリブル突破でシュート。これが決まり、グレートブリテンに待望の1点が入った。喜ぶチャールズをチームメイトが讃える。
逆転を狙いたいグレートブリテンだったが、1-0で90分が終了。トータル1-1で試合は延長戦に入る。