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博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

ホルムズ海峡

2015年04月09日 | 時事

 9日の朝日新聞の報道によりますと、「日米両政府は、今月末に18年ぶりに改定する「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)で、自衛隊による集団的自衛権を使った機雷除去を盛り込む方針を固めた。従来、日本周辺に限ってきた機雷除去の地理的な制限をなくすことで、安全保障法制が整備されれば、米国が強く求めていた中東・ホルムズ海峡での機雷除去が停戦前でも可能となる」とのことです。

ソースです ⇒http://digital.asahi.com/articles/ASH485GGBH48UTFK00N.html?_requesturl=articles%2FASH485GGBH48UTFK00N.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH485GGBH48UTFK00N

 しれっと「停戦前でも可能になる」と書かれていますが、停戦前ってどういう意味なのでしょうか。どの国とどの国が戦争をするという前提なのでしょうか。不思議なことに、そこらへんの情報が同記事にも他のどこにも見当たりません。ホルムズ海峡に面した国としてはイランとオマーンの2国があります。ホルムズ海峡に機雷を敷設する国があるとすれば、この2国でしょう。ホルムズ海峡は最も狭い所で約33㎞の幅しかないので、海峡部の多くがこの2国の領海だからです。もしも「停戦前」にこの2国の機雷を日本の自衛隊が除去しようとすれば、この2国から攻撃を受けることになります。2国の軍事行動を妨害することになるからです。そういうリスクについて政府はどう考えているのでしょうか。

 現実の問題として我が国はイランともオマーンとも今のところ外交上悪い関係はありません。イランは核問題で欧米諸国やイスラエルときな臭い関係にあるので、軍事的に何か起った場合にイランが海峡を機雷で封鎖する可能性はあると一部で指摘されています。実際3年前の2012年の春頃にそのリスクが高まったと報道されたことがあります。もちろん、そんなことは起こりませんでした。イランは産油国で原油の輸出ルートの海峡を封鎖することは自分の首を絞めることになるからです。

 イラン・オマーン以外の第三国がホルムズ海峡に機雷を敷設する可能性は、ありえない話ではないでしょうが、まずないでしょう。それをするためには、まずイラン・オマーンの妨害を軍事的に排除しなければならないからです。

 そう考えてみますと、上記の政府の方針はイランを仮想敵国とみなすと宣言したに等しいのではないかと思います。1978年のイスラム革命以来、イランは欧米諸国と対決姿勢を取っていますが、日本とは友好関係を保っています。つい昨年も安倍総理とイランのロウハニ大統領は国連総会で会談をしています。イラン政府としては敵を増やしたくはないので、上記の日本政府の方針に表立って文句は言わないのかもしれませんが、内心では不信感を持つのではないでしょうか。軍事的に何かあればアメリカ軍に日本が追従してイランと対決するということで、ほとんどイランに喧嘩を売っているのに等しいといえるでしょう。何だかものすごく心配です。


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