
4月26日の本ブログで、トランプ大統領がハーバード大学の「研究の自由」を侵害しているので、今こそ日本政府は「ハーバード大学を買い取るべき」という妄想をご紹介しておりました。すると世界には似たようなことを考える向きもあるようで、北欧のノルウェー政府が、トランプ大統領に研究助成金を打ち切られて困っている米国研究者のために1億クローネ(960万米ドル相当)を提供すると発表しています(注)。表向きは全世界の研究者向けということにはなっていますが、トランプ大統領が目の敵にしている、気候変動、極域の環境問題などの研究テーマに焦点を当てているのが肝のようです。もちろん、それらの研究テーマがノルウェーにとって死活問題のテーマでもありますから当然といえば当然ですが。ノルウェー政府のシグルン・アースランド研究高等教育大臣は「米国では学問の自由が圧迫されており、何十年にもわたって世界をリードする研究国であった米国の多くの研究者にとって、それは予測不可能な状況です。私たちは、ノルウェーの知識コミュニティや北欧の同僚と研究開発について緊密な対話をしてきました。私にとっては、迅速に実施できる優れた対策を見つけることが重要だったため、(ノルウェー)研究評議会に、迅速に実施できる助成金制度を優先するよう求めました」と述べています(注1 上の写真の記事です)。ノルウェー研究評議会は日本の総合科学技術・イノベーション会議に近い性格の国家機関のようです(注2)。しかし、世界には同じようなことを考える人々もいるのだなと感心しました。
(注1)https://www.forskningsradet.no/en/news/2025/100-million-nok-to-attract-international-researchers/
(注2)詳細はこちらです。⇒ https://www.regjeringen.no/en/dep/kd/organisation/kunnskapsdepartementets-etater-og-virksomheter/Subordinate-agencies-2/the-research-council-of-norway/id426571/