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博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

核実験はどこで行っているのか?2(2016年1月9日の記事の再掲載です)

2025年08月10日 | 時事
  一昨日に続けまして「核実験」をテーマとした本ブログの過去記事を再掲載させていただきます。以下は「2016年01月09日 | 時事」の本ブログ記事です。
オリジナル記事のURLです。⇒ https://blog.goo.ne.jp/ss18m/e/4e6c4481e66bdf3c90e070007e591312

2016年01月09日 | 時事
 私は以前、親しい学生だったA君と日本の核武装の可能性について話し合ったことがあります。私は日本がもし核爆弾を自力で開発するとすれば核実験が不可欠になるという話をしました。核爆弾を確実に所定の瞬間に爆発させる信頼性を確保するには複数回の核実験がどうしても必要です。アメリカやロシアなどの既存の核保有国が今は核実験を行わずコンピュータシミュレーションで代替できるのは1950年代から60年代に散々リアルの実験でデータを集積できたからです。
 私はA君に「核実験がどうしても必要だ。さてどこで実験する?」と聞きますと、A君は「うーん、青森県?」と言いました。私は「私が青森県民だったら、今君の首を絞めているよ」と言いました。ほとんど全ての青森県民の皆さんも同じ気持ちだと思います(ちなみにA君は神奈川県民です)。こんなふうに気軽に青森県の名前が出てくる所が恐ろしい所です。別にA君には青森県に対する悪意があるわけではないのです。
 アメリカは1945年7月16日に「トリニティ実験」と呼ばれる世界最初の原爆実験を、ニューメキシコ州ソコロ近郊の砂漠で実施しました(上の写真です)。1946年からは太平洋ミクロネシアで核実験を繰り返します。米国最初の1952年11月に始まる水爆実験も、ミクロネシアで行われています。その結果、多くのミクロネシア住民と日本の第五福竜丸が被ばくすることになったことは誰もが良く知っています。ニューメキシコ州やネバダ州の砂漠での実験で実は大勢の米国民が被ばくし被害にあっていたことがのちに明らかになりました。映画俳優のジョン・ウェインが映画撮影中に核実験の降下物で被ばくしガン死したという真偽定かならぬ噂もあるくらいです。
 イギリスはオーストラリアと太平洋のクリスマス島で、フランスは植民地化していたアルジェリアのサハラ砂漠と南太平洋のポリネシアで行ってました。いずれも現地住民の抗議を無視して強行しており犯罪性が高く悪質でした。
 旧ソ連は北極海のノヴァヤゼムリャ島とカザフスタンの砂漠、中国はゴビ砂漠、インドとパキスタンも自国の砂漠地帯で行っていました。自国領土内で行っていたので英米仏ほど悪質ではないとはいえません。そうした地域にも少数民族が住んでいたからです。ノヴァヤゼムリャ島では1960年10月30日にツァーリボンバ(爆弾の皇帝)と呼ばれる人類史上最大の50メガトン水爆(広島原爆の3000倍の威力)の実験が行われました。爆発の衝撃波は地球を3周したといわれています。このノヴァヤゼムリャ島にもネネツ人の人々が今でも2000人程度住んでいます。この実験でソ連政府も何か感じることがあったのでしょう。これ以降地上実験は行われなくなりましたし、爆発威力の米ソ間競争も意欲が失われたようです。
 青森県がA君によって核実験場に無意識に選ばれたのは、東京から見て遠隔地にあることと、六ヶ所村再処理工場や東通原発などの原子力施設が既にあるという、かなりぞんざいな印象に基ずくものと思われます。私たちも、こういうぞんざいな意識に気を付けなくてはなりません。
トリニティ実験の写真はこちらのサイトから引用させて頂きました ⇒ http://blog.nuclearsecrecy.com/2012/03/30/trinitys-cloud-1945/

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