9月に私が以前勤務していたシンクタンクの初代所長であり、現副理事長である林雄二郎先生が90歳になりました。「卒寿」ですね。久しぶりにおめにかかると相変わらずお元気で、いろいろお話することができました。この方は実に多岐に亘るお仕事をされてきた方で一言で紹介することが不可能な方です。最も有名な業績としては、1969年に「情報化社会」(講談社現代文庫)というベストセラーを出版され、情報化社会という言葉を世に広められたことで有名です。コンピュータというものが日本全国で500台しか存在しなかった時代にですよ。その時代のコンピュータは大型汎用機がやっと世の中に出始めた頃で政府機関や総合大学、大企業の研究開発部門にしかありませんでした。私も小学生でしたがテレビの中(それもウルトラマンとかスパイ大作戦とかいった番組)でしか見たことがありませんでした。当時の私のコンピュータのイメージは、部屋の壁一杯に「ランプが並んでいて」、それが「不規則に点滅する」。または「磁気テープがオープンリールで筐体の中に並んでいる」情報の出力は「穿孔紙テープでカタカタいいながら」出てくる。入力は磁気テープを使う。にもかかわらず時々音声で入出力ができたりもする。解析不能な場合は、人工音声で「データ不足で回答できません」と言ってくる。こんなイメージですね。
そんな時代に近い将来、コンピュータが小型化して一人一台の時代が来ること。それらのコンピュータが通信回線を通してネットワーク化されることを予測していました。それだけでもすごいことですよね。
でももっとすごい事は、そうしたテクノロジーが人間の文化やライフスタイルに及ぼす影響(いいことばかりではないかもしれないということも含めて)を考察し主体的な対応の必要性に言及していたことです。40年後の世界を予測し、そこに生じる変化の態様や主体的に変化に向き合う方法を説くなどということは、とてもとても簡単にできることではありません。
林先生はなぜそういうことができたのでしょうか。こういう仕事をした人々の共通点と言ったものはあるのでしょうか。非常に興味を感じる点です。
そんな時代に近い将来、コンピュータが小型化して一人一台の時代が来ること。それらのコンピュータが通信回線を通してネットワーク化されることを予測していました。それだけでもすごいことですよね。
でももっとすごい事は、そうしたテクノロジーが人間の文化やライフスタイルに及ぼす影響(いいことばかりではないかもしれないということも含めて)を考察し主体的な対応の必要性に言及していたことです。40年後の世界を予測し、そこに生じる変化の態様や主体的に変化に向き合う方法を説くなどということは、とてもとても簡単にできることではありません。
林先生はなぜそういうことができたのでしょうか。こういう仕事をした人々の共通点と言ったものはあるのでしょうか。非常に興味を感じる点です。