博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

25%

2009年10月19日 | 時事
 以前にもこのブログで書きましたが、鳩山総理の温室効果ガス25%削減の国際社会への約束は国内では、産業界を中心に不満の声が上がりました。目標が高すぎるということよりも、日本企業(特に製鉄など製造業)は1973年の第一次オイルショック以来営々と省エネの努力をしてきて、かなり高いエネルギー効率(EE)を達成してきたのに、まだ足らないと言うのだろうかという嘆息なのでしょう。この状況は、よく乾いた雑巾をさらに絞ろうとするという喩えで表現されます。この言い分がどれだけ妥当かは別として、日本の産業界にそういう気分があることは間違いないでしょう。25%という数値が1990年の温室効果ガス排出量からさらに25%という意味ですから尚更です。
 製鉄業界について言えば日本の製鉄所におけるEEを100とするとアメリカと中国が120、EUが110、ロシアが125ですから、あながち的外れではないようです。
データ出所:http://enviroscope.iges.or.jp/modules/envirolib/upload/1577/attach/11_chapter9.pdf の5ページ目図9.2.
 EEとは同じ量の鉄を生産するのに必要なエネルギー量です。アメリカと中国は日本と同じ量の鉄を生産するのに20%余分にエネルギーが必要な訳です(当然、その分余分にCO2が排出される)。
 
 このことは誰もが分かっていますから、中国の製鉄所のEE向上のための技術支援が重要な課題になります。温暖化対策の基本を定めた京都議定書には「クリーン開発メカニズム」(CDM) という制度があって、先進国が開発途上国に技術・資金等の支援を行い温室効果ガス排出量を削減、または吸収量を増幅する事業を実施した結果、削減できた排出量の一定量を先進国の温室効果ガス排出量の削減分の一部に充当することができます。先進国は少ないコストで削減が可能となり、途上国は技術や資金の供与といった対価が望めるなどの効果を期待されています。簡単に言うと日本国内でCO2を削減する代わりに、中国のCO2を削減してあげれば、それは日本が削減したことになるのです。これは良い方法です。
 しかし私は、もっと手っ取り早い方法を思いつきましたEEの表を見ていて思いついたのですが、日本が鉄鋼の生産を中国から請け負うのです。日本の製鉄所で鉄鋼を作れば自動的に2割相当のCO2を削減できます。鉄鋼生産は元々CO2の大量排出源ですからこの効果は大きいはずです。馬鹿みたいと思う人が多いと思いますが、せっかくですから考えてみたいと思います(続く)。

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