博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

カーニアン多雨事象の原因の解明とその意味

2021年08月23日 | 科学
 昨日ご紹介させていただいた約2億3千万年前の中生代三畳紀に起こった200万年間大雨が続いた「カーニアン多雨事象」の原因の解明が進み、昨年12月に公表されました。九州大学大学院理学研究院の尾上哲治教授、奈良岡浩教授、熊本大学大学院自然科学研究科の冨松由希氏(博士3年、九州大学委託研究生)、海洋研究開発機構の野崎達生グループリーダー代理らの共同研究グループは、神戸大学、千葉工業大学、早稲田大学と共同し、この約200万年間にわたる雨の時代は、当時の超大陸パンゲア大陸の沖合パンサラッサ海で起こった非常に大規模な火山活動が引き金となって起こったことを明らかにしたのだそうです(上の図です)。火山から大量に噴出した二酸化炭素による温室効果で海面からの水蒸気が増え雨の原因となったということのようです。この火山活動で噴出した大量の玄武岩は岐阜県を中心に中部山岳地帯を中心に北関東から近畿地方にかけて残っていることも分かったそうです。
詳細はこちらをご参照ください(上の図の引用元も一緒です)。⇒ https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2020_12_08_01.html
 こんなことがどうやって分かるのかといいますと、地層に走っている一本の色の違う線と、そこに含まれている化石と放射性同位元素で調べるのだそうです。
 この時期の降水量は、昨日もご紹介しましたように、日本の現在の年間降水量よりも少し少ないくらいなのですが、それでもカラカラに干からびた広大な砂漠を潤すには十分だったようです(そもそも日本の年間平均降水量は全世界平均降水量約800㎜の二倍もあるのです)。この結果、干からびていた超大陸に草木が茂るようになり、これを餌とする恐竜類の進化が始まったのだそうです。そしてこの時に私達哺乳類の先祖も一緒に誕生したのだそうです。

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