博多住吉通信(旧六本松通信)

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「3人乗り」宇宙船

2021年03月21日 | 宇宙開発・天文

昨日ご紹介した映画「宇宙大征服」の中で、NASAの人々が恐れていたソ連のボスホート宇宙船(Восход 日本語で「夜明け」の意)ですが、1964年10月12日に打ち上げられたボスホート1号では、宇宙開発史上初の3人の宇宙飛行士が搭乗しました。ところが、この宇宙船は実はもともと2人乗りだったことが後に分かりました。アメリカが2人乗りのジェミニ宇宙船の開発を発表したことに対抗して、当時のソ連の最高権力者フルシチョフ第一書記が主任設計者のコロリョフに命じて無理やり座席を一つ増設して3人乗りにしたのだそうです。このため船内が狭すぎて、せっかく宇宙開発史上初の非軍人文民の宇宙工学者コンスタンチン・フェオクチストフ博士が搭乗したにも関わらず、意義のある工学実験などはほとんどできなかったそうです。その証拠に、翌年の3月18日に打ち上げられたボスホート2号では2人乗りに戻されて宇宙飛行を行い、搭乗したアレクセイ・レオーノフ飛行士は宇宙開発史上初の宇宙遊泳を成功させるという意義のある成果を挙げています。

 このように旧ソ連も、かなりおかしなことをやっていたようです。皮肉なことに無茶な命令を発したフルシチョフは、ボスホート1号の飛行直後の10月14日にレオニード・ブレジネフらの画策で第一書記の座を失脚させられ隠居させられてしまいました。

 上の写真と下の図はボスホート1号の図解で、ロシアのタス通信社の記事から引用させていただきました。2019年10月のロシア国営宇宙企業ロスコスモスが55年ぶりに情報公開したボスホート宇宙船の写真です。

引用元はこちらです。⇒ https://tass.ru/kosmos/7024452


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