博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

砕氷船と巨大氷山

2020年04月16日 | 読書・映画

 「アイスブレイカー 超巨大氷山崩落」(ニコライ・ホメリキ監督 2016年制作 ロシア映画)という映画を見ました。DVDのパッケージ(上の写真です)を見ると、いかにもB級パニック映画みたいで、全く期待しないで見たのですが、実際にはとても面白かったです。この映画は1985年3月に南極海で旧ソ連の砕氷船ミハイル・グロモフ号が巨大な氷山の崩落に遭遇し、船腹とレーダーを破損し、さらに乗組員1名が死亡するという実際にあった事故を題材にしています。同船はその後長期間氷に閉じ込められてしまうのですが、その間に起こる様々な人間模様を描いています。

 私はというと、初めて目にするロシア・旧ソ連の砕氷船の内外装に興味津々でした(どれくらい正確な描写かは分かりませんが)。ロシアは旧ソ連時代から砕氷船の開発・運用を営々と進めてきた国です。北極圏に向けて3万キロにも達する長さの海岸線を持つ国ですから必要に迫られて作ってきたのでしょう。さらに19世紀の帝政ロシアの時代から熱心に南極探査を行ってきた歴史もあります。

 私たち日本国民にとっても、昭和32年1月に南極海で氷に閉じ込められた南極観測船「宗谷」の救援に赴いた旧ソ連の砕氷船オビ号とアメリカのバートン・アイランド号は馴染み深い存在だったと思います。

 私個人にとっては小学3年生の時に学習図鑑の挿絵にあった旧ソ連の世界最初の原子力砕氷船レーニン号を見たときが興味の始まりでした。レーニン号は1959年に建造され1989年まで運用されるのですが、就航5年後の1965年に原子炉の冷却水喪失事故で乗組員30人が死亡する大惨事を起こしています。メルトダウンの1歩手前までいっていたそうで、事故を起こした原子炉はその後北極海に投棄されたそうです(!)。こうした事故の真相はソ連崩壊後に分かったことですが、その後ソ連・ロシアは原子力砕氷船の改良・改善を進めアルクティカ級の原子力砕氷船(アルクティカ、シビーリなど)の建造・運用を21世紀の現在まで進めています。

 映画のミハイル・グロモフ号は通常動力のディーゼルエンジン船ですが、十分興味深かったです。


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