博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

水星への遠い道 歴史

2020年04月26日 | 宇宙開発・天文

 昨日は水星へ探査機を送る技術的な難しさを紹介いたしましたが、実際にこれまで水星へ送り込まれた探査機は、63年の宇宙開発の歴史の中で2機しかありません。一方火星には、NASAは1963年のマリナー3号(失敗)からキュリオシティまで失敗も含めて16機も送りこまれています。最初の水星探査機はNASAのマリナー10号(上の写真です)です。マリナー10号は1973年11月3日に打ち上げられ、金星スイングバイを経て太陽周回の人工惑星軌道に乗り、1974年3月29日と9月21日、1975年3月16日に水星近傍を接近飛行(フライバイ)し各種観測と写真撮影を行っています。最接近した1975年3月16日には327kmまで水星に近づいています。このように水星周回軌道に乗る必要がなければ、46年も昔でも、わずか5か月で水星近傍に到達しています。接近飛行なので撮影できたのは、水星表面の約4割にとどまっていました。温度測定により水星表面は昼の面が350℃~400℃という高温で、夜の面は約マイナス180℃と極端な温度差があることが分かりました。マリナー10号はロケット燃料を使い果した後、46年後の現在も太陽の周囲を公転しています。この探査機のスイングバイは宇宙開発史上最初だそうです。ちなみに今回のベピコロンボ計画の名称は、マリナー10号の運用に貢献したイタリアの宇宙科学者ジュゼッペ・コロンボ博士(1984年死去)を記念した命名だそうです(ベピは博士の愛称)。水星探査の技術的な難しさは、太陽に5000万キロまで接近するので探査機も熱遮蔽が必要になることです。マリナー10号は厚い日除けを付けています。

 その次に水星を訪れた探査機は、21世紀になってからのNASAの「メッセンジャー」ですが、こちらは何度か本ブログの記事で取り上げております。

 こちらです。⇒ https://blog.goo.ne.jp/ss18m/e/30e8cf6917530d403c2d6ee62511a302

 マリナー10号の写真はJAXAホームページから引用させていただきました。⇒ spaceinfo.jaxa.jp/ja/mariner_10.html


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