博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

冥王星が

2006年08月25日 | 宇宙開発・天文
 惑星でなくなってしまったことは、昨日からかなり報道されていますので皆さんもご存知ですね。
 私はこのことにとてもがっかりしていますが、これまでの天文観測の経緯からやむをえない裁決ではあったと思います。
 太陽系最外縁部にある、探査機もまだ訪れていない(2006年現在NASA探査機ニューホライズンが飛行中)謎の惑星。カロンという巨大な衛星を従え(つい最近さらに別の衛星も発見)二重惑星の認定を受けかけていた、本当にユニークな星でした。軌道は時に海王星の内側に入り込み(最近は1979年~99年)、太陽に近いときは大気が存在し、太陽から遠ざかると凍り付いて無くなってしまうという特徴があって子供の頃から憧れの星でしたが・・・

 実は惑星が惑星で無くなったことは、これが初めてではなく以前にもあったのです。火星と木星の間の軌道で1801年1月1日に発見された小惑星セレス(ケレス)は当初は惑星と思われていましたが、木星と火星の間には他にも多くの小惑星があることが分かって、惑星ではなく小惑星という分類に入れられました。
 冥王星もこれと似た経過を辿った訳です。特に大きかったのは、2003年に冥王星の外側に発見された2003 UB313の発見でした。この番号しか付いていない星の直径が2400キロもあって、冥王星(2306キロ)よりも大きかったのです。しかも、ここ数年、冥王星に近いサイズの星が続々と冥王星以遠の軌道で発見されたのです。2002年に発見されたクワーオアー、2004年に発見されたオルクスはどちらも直径1000キロ。2004年に発見されたセドナは1800~1500キロ等々で、どれも冥王星に似た組成―主として氷でできている―を持った仲間だと考えられたわけです。実は直径1000キロ未満の小さな星はさらに多く発見されていて、2006年7月現在その数は1118個もあるのだとか・・・(絶句)これらの星々は「エッジワース・カイパーベルト天体(EKBO)」と呼ばれていました。これからは冥王星もひっくるめて「トランス・ネプチュニアン天体」と呼ばれる・・・らしい。元々冥王星が地球の月よりも小さく惑星としては小さすぎると思われてきただけに、これではどうにもならないということですね。上記のやむを得ない裁決とはそういう意味です。
 なお冥王星はdwarf planetという種類名が付けられそうです。dwarfというとジャンガリアンハムスターを思い出しますね。まだ定訳は無いようですが、あえて和訳すると「矮惑星」となるのでしょうか(アストロアーツニュース編集部は実際に矮惑星と仮訳していますhttp://www.astroarts.co.jp/news/2006/08/21planet_3/index-j.shtml)。
何だか冥王星がかわいそうだなあ。

※写真はNASAホームページから引用させていただいた冥王星探査機ニューホライズンです。9年後に冥王星到着予定です。この探査機には冥王星発見者のクライド・トンボー博士の遺骨が搭載されています。トンボー博士は1906年に生まれ、1930年に冥王星を発見し、9年前に亡くなりました。奇しくもトンボー博士生誕100年の今年、冥王星は惑星でなくなったのです・・・ 

Catalystさん、アボカドのお寿司(カリフォルニア巻きでしたか)も美味しいですね。でも雪国なので実をならせるのは難しそうです。

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2 コメント

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アメリカ人の半分は (Catalyst)
2006-08-25 15:15:06
冥王星人です。だから、冥王星を惑星のままにしたかったのです。そのうち、地球は冥王星人たちに乗っ取られてしまうのです
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ホルストの「惑星」 (hama)
2006-08-26 05:05:46
 久しぶりに「能美通信」をのぞいてみたら、話題の冥王星のことが書かれていたのでコメントしてみます。

 惑星の定義変更に伴い、冥王星は惑星から除外された訳ですが、ホルストの組曲「惑星」は、当時まだ冥王星が発見されていなかったため、海王星までしか作曲されなかったので、今回の件で、文字どうり組曲「惑星」となった感じです。ただ、太陽系外に出るといった場合、どこから先がそうなるのか私には分かりませんが。。。。

 それにしてもブログ続いていますね。時々のぞきにきていますが、またサイエンス・ネタ、宜しくお願いします。
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