羽花山人日記

徒然なるままに

立法府

2021-11-06 16:38:55 | 日記

昨日(11月4日)の朝日新聞11面に,ノンフィクション作家 保坂正康さんへの,今回の衆議院選挙の結果についてのインタビュー記事が載っていた。

保坂さんは,3点について分析している。

1点目は,国民が何にも増して現状維持を望んだということ,2点目は,総体的に保守勢力が追認され,護憲・戦後体制の崩壊という結果になったこと,3点目は,立法府の無力化が進むことになったことへの危惧。そして,選挙の結果を,「哲理なき現状維持」と概括している。

わたしは,3点目の「立法府の無力化」の指摘に,特に留意したい。保坂さんは,「安部・菅政権において,政府の意向が先行し,国会があってなきような『行政の独裁』というべき状態が続いて」来たと指摘し,この状況は戦時中の軍事政権の独裁を想起させると述べ,今回の選挙ではそれが問われるべきであったと主張している。

今回の選挙の投票率は53.93%は戦後三番目の低さで,18歳では51.4%,19歳では35.04%と恐るべき低さになっている。これは,国民,特に若者の国会への期待の欠如を反映しているといえよう。世論調査で示された,選挙に行かない理由のトップは,「行っても行かなくても,別に変ることはない」である。わたし自身も,投票をしながらそういう思いに,取りつかれることがある。

「哲理なき現状維持」の中で,司法・行政・立法の三権分立を柱にした,戦後民主主義が崩壊の危機にある。与野党を問わず,政治家はこのことに無自覚であってはならない。

コメント (5)
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