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訓授されなくても

2011年06月27日 | 読書
 105円のコーナーにも教育書が並んでいる箇所がある。
 今までこうした類の単行本は買った記憶がないが、一冊ぐらいは見てみようかと題名だけ見てカゴに放り込んだ。

 『講話のポイントとすぐに使える講話事例』

 他の本と一緒に書棚に横積みして、どれどれと手にとったのが二、三日後。改めて表紙を見て、えっと思った。
 もちろん題名はそのままであるが、下にこんな文字が…。

 警察講話研究会編

 「なんじゃあこりゃあ」と腹に手を当ててひざまずく、ほどではなかったにしろ、あららららあという状態である。上部のシリーズ名には、こんなことも書かれてある。

 警察幹部のための実務選書②

 すぐ捨てるわけでもないので一応読んでおくかと開いてみる。
 警察署長として赴任したときの心構えなどと書かれている。正直実に一般的なことしか書かれていないが、独特の用語などもあって、やや言葉フェチ気味の自分には面白い部分もある。

 なかでも、この言葉。

 訓授

 広辞苑などの辞書にはない。「訓示」や「訓辞」は当然あるし、近いとは思うのだが、それはやはり組織独特のものか。

 ネット検索では、「警察礼式」という法規にあったので、なるほどと思った。 
 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29F30301000013.html

 少し調べたらこんなページも。
 http://blogs.yahoo.co.jp/kuroki_aki/15709982.html

 こうなってくると、組織だけが持つ用語には当然専門性もあるだろうし、独特の構造めいたことが重なっているものだなあと、今さらながらに思う。

 学校教育でいうと、辞書にはないだろう「机間」や「修礼」なども少し考えてみると深い気がする。地域によって違いがある言葉も多いようだ。

 若い頃、学期末や年度末に「コウテイハンセイ」という会議が行われていた。あるとき、これも他の職種ではあまり使われない結構特別な言葉であることを知った。今は「学校評価」が一般的なのだろうか。

 「コウテイ」は「功程」と表されていて、当時調べたとき手元の辞書にはなかった。
 しかし今改めて広辞苑をみると「仕事のはかどりぐあい。職人などの作業の程度」とある。
 なあんだ、これならいい使い方ではないか。学校評価より、ずっと職種にあっているなと思った次第…

 さて、肝心の「講話」のポイントとヒントはどうなった…

 結構あるものですねえ。
 「訓授」されなくても、人はいろいろなところから学べる。
 早とちりや勘違いによって手にしたものにもたくさん散らばっていた。

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