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感情労働者の戯れ言,再び

2012年01月30日 | 読書
 以前「感情労働者としての教師」という言葉に触発されて,このブログにメモしたことがある。
 http://blog.goo.ne.jp/spring25-4/e/895f968e709d0d175d9dc2695dc1726b


 『教師のためのパフォーマンス術』(上條晴夫 金子書房)の第五章「プロは感情に責任を持つ」にも,少し似たような表現が出てきていた。

 「感情をコントロールする職業」として教育の仕事を捉える必要がある。

 この言葉に異論のある教師はそういないだろう。
 がしかし,実際に,では自分は感情をコントロールできているのかと自問してみて,花マルをつけられる教師はそう多くはないと思う。

 傍からみれば,非の打ちどころのないほど立派に務めている人であっても,人知れず悩むことはあるだろう。またそうでなければ,それは「能天気」と称した方がいいのかもしれない。

 では,どうしたら「感情のコントロール」を鍛えることができるのだろう。
気分転換を上手にするということも大きいが,それはストレス解消的であって,前向きに仕事術として捉えているとはいえない。

 上條氏の書かれた第五章のいくつかの見出しがヒントになる。

 2 自分の「感情」を声に出す
 3 自分の「感情」を演出する
 4 笑顔で子どもを安心させる


 3の例としては,ガッツポーズや小芝居の例が紹介されている。

 はっきり言うと,結局感情を鍛えるためには行動するしかないという結論になる。
 座禅や黙想,沈黙思考などに効果がないと言っているわけではないが,身体を動かすことによって感情が生ずるという根本のところを忘れないようにして,私たちは子どもに向かっていくのである。

 内田樹氏の書いたこんな一節があった。

 内面に感情がまずあって,それが身体表現に外化するのではない。身体表現が内面化した結果,感情が生まれるのである。

 初めに,声あり,笑いあり,手招きあり,手当てあり,である。

 見つめ直すべきは,自分の身体表現である。

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