雪が降らないせいか、ぴりつとしないところもある。
まあそのうちと…のんびりしながら読書、これらは軽いものとして…
『鬼刑事 米田耕作』(矢島正雄 文春文庫)
脚本家、漫画原作者としての矢島正雄には注目していて、書店で見つけると手にとってしまう。小説は以前も読んだが、今一つかなあと思いつつ寝床読書にはいいと購読した。「刑事モノ」は、名作漫画『人間交差点』シリーズでも多い内容だし、女性刑事の活躍する『PS~羅生門』も好きな作品だ。これはどうかと…。
かつて名刑事だった男が今は資料室的な部署にいて、実は現警視総監とも盟友で、そして現代風の若手刑事を相棒にしながら…というような、ドラマではありがちな設定だ。いや、こういったパターンはもしかしたら矢島が作り出したのかもしれない。内容は普通だがTVドラマなら見るだろうな…調べたら、BS再放送枠でやっていて…
https://www.bsfuji.tv/yonedakousaku/pub/index.html
少しイメージの違う配役にがっかりというオチでした。
『あつあつを召し上がれ』(小川糸 新潮文庫)
この作家もドラマ原作のイメージが強い。代表作で映画になった『食堂かたつむり』は見ていないが、NHKで放送した『つるかめ助産院』や『ツバキ文具店』はとてもいいドラマだった。脚本や演出もあろうが、醸し出す雰囲気が柔らかく、落ち着いた気持ちで視聴できた。そういう印象を持ちながらこの短編集を読む。
題名も示すように7編全て「食」の場面が取り上げられ、その描写が上手だ。当たり前だが登場人物の心の機微と重なっている。くだらないグルメ番組より、こうした物語のドラマ化の方が「食」の素晴らしさを感じ取ることができるのではないか。7編の設定はそれぞれ読みどころがあり、振れ幅も大きいので楽しめた。
認知症になった祖母が登場する冒頭の作品で、何気なく語られたことがある。齢をとっていく意味の比喩としては最上級だなあと感心した。
「腐敗することと発酵することは、似ているけど違うんだよ」
「バーバは今この瞬間も、甘く発酵し続けているのだ」
まあそのうちと…のんびりしながら読書、これらは軽いものとして…
『鬼刑事 米田耕作』(矢島正雄 文春文庫)
脚本家、漫画原作者としての矢島正雄には注目していて、書店で見つけると手にとってしまう。小説は以前も読んだが、今一つかなあと思いつつ寝床読書にはいいと購読した。「刑事モノ」は、名作漫画『人間交差点』シリーズでも多い内容だし、女性刑事の活躍する『PS~羅生門』も好きな作品だ。これはどうかと…。
かつて名刑事だった男が今は資料室的な部署にいて、実は現警視総監とも盟友で、そして現代風の若手刑事を相棒にしながら…というような、ドラマではありがちな設定だ。いや、こういったパターンはもしかしたら矢島が作り出したのかもしれない。内容は普通だがTVドラマなら見るだろうな…調べたら、BS再放送枠でやっていて…
https://www.bsfuji.tv/yonedakousaku/pub/index.html
少しイメージの違う配役にがっかりというオチでした。
『あつあつを召し上がれ』(小川糸 新潮文庫)
この作家もドラマ原作のイメージが強い。代表作で映画になった『食堂かたつむり』は見ていないが、NHKで放送した『つるかめ助産院』や『ツバキ文具店』はとてもいいドラマだった。脚本や演出もあろうが、醸し出す雰囲気が柔らかく、落ち着いた気持ちで視聴できた。そういう印象を持ちながらこの短編集を読む。
題名も示すように7編全て「食」の場面が取り上げられ、その描写が上手だ。当たり前だが登場人物の心の機微と重なっている。くだらないグルメ番組より、こうした物語のドラマ化の方が「食」の素晴らしさを感じ取ることができるのではないか。7編の設定はそれぞれ読みどころがあり、振れ幅も大きいので楽しめた。
認知症になった祖母が登場する冒頭の作品で、何気なく語られたことがある。齢をとっていく意味の比喩としては最上級だなあと感心した。
「腐敗することと発酵することは、似ているけど違うんだよ」
「バーバは今この瞬間も、甘く発酵し続けているのだ」