すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

想像力は能力ではない

2016年08月12日 | 読書
Volume13

 「人の限界を決めるのは能力じゃなくて、想像力。どんなに頭が良くても、想像できない人には可能性がない。」 


 印刷業界に新風を巻き起こしているというラクスルという会社の30代社長、松本恭攝氏が語った言葉。
 ここから一つ推論できることがある。

 「想像力」は「能力」ではない。

 能力の一部ととらえることがごく一般的だろう。
 なぜなら、想像するためには言語や論理などを基にする必要があるだろうから。

 しかしここで言う想像力の根幹は、想像する意欲や習慣、自分の見方に対する信頼のようなものではないか。
 そこを指しているのだと思う。



 寺田寅彦の随筆にこのような表現がある。

 「いわゆる頭のいい人は、言わば足の早い旅人のようなものである。」

 頭がいいと人より先に目的地に着くかもしれないが、速いがために周囲に目が向かず大事なことを見落とす可能性も高いことがある。
 ある面でこれは想像する時間が少なかったと言えはしまいか。


 可能性を担保するのは、いかに現実から想像を巡らし、その時間とつくりあげる未来を楽しめるかだ。