すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

清志郎、逝く

2009年05月03日 | 雑記帳
 ある情報番組での形容は「ロックの神様」だった。そこまで持ち上げなくてもとは思うが、間違いなく日本音楽界の一つの高峰であったことは確かだ。

 いくつかの名曲のうち、個人的に忘れられないのは「ぼくの好きな先生」だ。

♪たばこを吸いながら いつでもつまらなそうに
 たばこを吸いながら いつでも部屋に一人
 ぼくの好きな先生
 ぼくの好きなおじさん♪

 「先生らしくない先生」の一つのパターンを歌ったものだが、そうした憧れめいたものを大人に感じていた時代の香りがする。
 私もまた、何人かのそうした大人に感化されながら、たくさんの矛盾とぶつかって学生期を過ごしたような気がする。
 そしてそこからの道は多様に分かれ、何かを得るために何かを捨てたということになるのだと思う。しかし清志郎のようにどこまでも自分のスタイルを貫いた人は稀ではなかったか。
 それは仕事であろうが趣味であろうが、また音楽であろうが研究であろうが、あまり違わないだろう。
 
 まだ三人グループだったRCサクセションを一度だけ見たことがある。
 井上陽水の前座で古びた校舎の体育館ステージで唄ったのを聴いた。
 何の曲だったのか、もう三十数年前で覚えているわけもないのだが、バックライトに照らされてシルエットだけが妙に躍動していた姿が目に焼きついている。

 トレードマークのメイクや派手な衣装のそれではなく、ただ黒く全身でシャウトする清志郎の姿。

 合掌。