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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



ジダンの暴行退場事件が、W杯が終わったあとも尾を引いている。

ジダン自身が、フランスの有料テレビ、カナル・プリュスの番組の中で、暴行にいたった経緯を簡単に説明した。イタリアのDFマテラツィが家族に対するひどい言葉をはいたことが原因で、暴行したことに対しては後悔していないと言う。そして、ファンへの謝罪も述べた。

FIFAはこの事件に関して詳しい調査をするという。また、ジダンが獲得した大会MVPを剥奪する可能性もあるらしい。

FIFAが怒るのも無理はない。4年に1度の、FIFAの最大のイベントであるW杯の決勝戦が台無しになったのだ。世界中が注目する輝かしい時間が、失望の時間へと転落していったのだから。

しかし、ぼくは、いまさら調査の必要はないと思う。ピッチの中のできごとに対して、主審がレッドカードを掲げ、ジダンも納得の上で、ロッカールームへ去ったのだ。ジダン自身に不服があるのならともかく、判定に意義を唱えるものはいない。サッカーの試合という観点では、この時点でケリがついている。

また、大会のMVPを剥奪するのもおかしな話だと思う。なぜなら、大会のMVPはジダンが退場となった決勝戦の終了後まで投票が行なわれ、その結果、ジダンが選ばれたからだ。MVPの選考には、そのやり方に問題がないわけではないが、これからMVPを取り消すのならば、決勝戦でジダンが退場になった時点で、MVP候補からはずすべきだった。

栄光のW杯の決勝戦での衝撃的なできごとについて、世界中の人々が、思いをめぐらし、語ることは勝手である。しかし、FIFAが「真実」を追究することには、あまり意味がないと思うのは、ぼくだけだろうか。

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