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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



FUJI XEROX SUPER CUP 2013
サンフレッチェ広島 1対0 柏レイソル
2013/2/23 東京・国立競技場


1対0の最少得点差の試合だったが、内容的にはサンフレッチェ広島の完勝に近かった。

サンフレッチェ広島は、目指している「ボールをつなぐポゼッションサッカー」に一段と磨きをかけたように見えた。局面での短いパス交換と大きなサイドチェンジの組み合わせが、いい攻撃のテンポを創り出していた。シーズンのはじめということもあり、ときに不用意なパスミスも見られたが、そのときにあわてることなく、丁寧に対処できているところに、かえって進歩している印象を受けた。そして、ゴールマウスでは、あいかわらず佐藤寿人がチャンスを狙っている。鮮やかなボレーシュートで決勝点を決めた佐藤を、後半の途中で交代させる余裕もみせた広島だった。「安定感」という言葉がふさわしいと思った。

一方の柏レイソルは、攻撃面で物足りなさを感じた。レアンドロ・ドミンゲス、クレオ、工藤の関係がうまく機能していなかったように見えた。というよりも、ドミンゲスのプレー機会が少なかったことがすべてだった。後半の立ち上がりに、右サイドで何度かチャンスをつくったが、決定機には至らなかった。結局、柏の攻撃はドミンゲス次第なわけで、J1に昇格して3年目となる今季は、相手チームのスカウティングもいっそう進んでいると思われ、柏にとっては昨季以上に厳しい戦いになるだろう。国内の試合とACLをどう戦い抜くのか。ネルシーニョ監督の手腕が試されるシーズンになる。

点差以上に、両チームの差を感じた試合だった。しかし、シーズンは10か月の長丁場だ。リーグやカップ戦を戦いながら、成長し、ひとつにまとまったチームがJリーグ杯を手にするはずである。21年目のJリーグで、そんなチームがたくさん見られることを期待したい。


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