日本では、オシムの代表監督招聘や中田ヒデの引退発表やらで、W杯どころではないのではないか。
しかし、ここドイツではW杯4強の激突が始まる。
まず、今夜、ドイツ対イタリア。過去を紐解けば、西ドイツとの対戦ではあるが、イタリアの2勝2引き分けである。今度の対戦では、前の準々決勝で楽をしたイタリアのほうが有利ではないか。1982年スペイン大会もそうだったが、イタリア国内のサッカー界で事件が起きたときのイタリアは強いのかもしれない。
ドイツは怪我の状態が危ぶまれるバラック次第。そして、地元の声援がどれだけ選手を後押しするか。サポーターにとって、ドルトムント・スタジアムはもっとも応援しがいのある場所である。その効果はいかに。
そして、明日の晩は、ポルトガル対フランス。ジダン、マケレレ、チュラムら昔の名前が威光を放っているフランス。2002年W杯、2004年欧州選手権でのくやしさを晴らせるか。最後に一花咲かせて引退できるのか。W杯は申し分のない舞台である。
そのフランスと対戦するのが、もっとも成熟度が高いと思われるポルトガルだ。個々の選手の、個人技はともかく、チーム戦術の理解度がすばらしい。交代して入った選手が、チーム戦術はそのままに個性を発揮する。
そのポルトガルをさらに高いレベルに持ち上げるのがMFデコだ。ボールと時間と空間を確実にコントロールする。出場停止だったイングランド戦の分も活躍することだろう。そして、監督のスコラーリ。2002年大会でブラジルを優勝に導いた彼には、監督としてW杯2連覇がかかる。異なるチームを率いての連覇は奇跡以上のできごとだ。
巷では、選手の疲労などから試合がおもしろくないという声もあるようだ。しかし、おもしろいサッカーを望むなら、別の大会やリーグに期待すべきだと思う。
W杯には、サッカーの試合を超えた魅力があるはずだ。そうでなければ、いくら世界でもっとも普及しているスポーツとはいえ、世界中がこれほどにW杯に熱狂するわけはない。
ドイツ大会の準決勝の2試合は、サッカーだけではない、W杯の魅力が詰まったものになると確信している。
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