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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



FC東京 0対0 浦和 (2006/11/26 味の素スタジアム)

リーグの優勝がかかる浦和と14位に低迷するFC東京の試合とは思えない雰囲気と内容だった。

試合前のサポーターの応援合戦から前後半90分。熱く、激しい戦いが繰り広げられた。しかし、両チームとも無得点。サポーターの声援が、ゴールのときの沸点を超えることはなかった。

試合はFC東京のペースで進んだ。3バックを敷く浦和の弱点となる両サイドからの攻めがこ気味よく決まる。特に、右サイド・石川の鋭いプレーが光っていた。しかし、クロスをあげても中央で浦和の守備にはね返される。浦和も、サイドからやられることは織り込み済みのようで、あわてる様子はなかった。

FC東京は、守備も素晴らしかった。今野、梶山、伊野波、ジャーンらが出足の早いインターセプトを試み、山田、ポンテらのドリブルに対して果敢にボールを奪いにいった。その結果、浦和は、ゴール付近でのワシントンのプレーが減り、中盤でパスやドリブルで展開するばかりで、決定的なシュートチャンスをつくることができなかった。

優勝を意識して、やや硬くなった浦和に対して、目の前の優勝阻止に燃えたFC東京の気持ちが上回った試合だった。また、試合前のウォーミングアップから涙を隠さなかった、引退を決めた三浦文丈の存在も大きかったのかもしれない。

このFC東京戦を引き分けたことで、次週の最終節、浦和は3点差以上でG大阪に負けなければ優勝となる。浦和はほぼ優勝を手中にしたといえるだろう。しかし、そのなかで、G大阪を相手に、初めてJリーグの王者になるにふさわしい試合をできるのか。浦和の選手たちは、熱く、厳しいサポーターを満足させることができるのか。

浦和対G大阪戦。浦和には、王者になるための新たな難題が突きつけられたように思う。

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ラグビー日本代表 19対61 豪州首相XV
(2006/11/4 秩父宮ラグビー場)

来年のラグビー・フランスW杯アジア最終予選への壮行試合の第1戦。日本代表は、豪州首相XV(フィフティーン)と対戦して、完敗した。現在の豪州代表を含まない、準代表と位置づけられる豪州首相XVのバックスの迫力に圧倒された試合だった。

この日のフォワード8人の平均身長、体重は、両チームほぼ同じだったが、バックス5人の平均を比較すると、豪州の方が身長で10cm高く、体重で10kg重かった。そして、日本選手よりも、ひと回り大きなバックスは、日本選手以上のスピードと鋭さを持っていた。

豪州首相XVは、開始1分に軽々と右中間にトライを奪ってから4連続トライ。日本はスクラムでは健闘するものの、加速をした豪州の選手をとめるすべを持たなかった。2人がかりで止めに行っても、しなやかでスピードのある豪州にスルリと間をかわされる。そこには、確かに体格、スキル、スピードの違いがあったが、日本選手の気力と工夫の欠如もあったのではないか。精神論を説くつもりはないが、それにしても、あまりにディフェンスが淡白だった。低く鋭いあたりで、強豪を苦しめてきた日本のタックルの片鱗さえも見ることはできなかったのが残念だった。

香港でおこなわれるW杯アジア最終予選まで約2週間。香港に豪州首相XVほどの相手はいないはずだ。日本代表はW杯への出場を決めて帰国することだろう。しかし、日本代表の目標は、W杯の本番で一つでも多くトライを奪い、一つでも多く試合に勝つことにある。そのためにも、この日の豪州首相XVとの対戦のような貴重な機会を、もっと大切にして欲しい。親善試合ではあるが、必死さがもっと伝わってくるようなラグビーを見たかった。

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