<スポーツ雑感+ 2025/5/20>
終盤にかかってきた東京五輪・贈賄疑惑の角川歴彦被告の公判を傍聴した。今日は、弁護側からの被告人質問がおこなわれた。角川被告本人が回答するためか、先週までの証人尋問とはうって変わって、98席ある東京地裁104号法廷の傍聴席はほぼ満席となった。いつもの15人ほどの顔ぶれ以外は、角川関係者がほとんどのようだった。傍聴席で声を発することはできないが、角川被告の応援団というところか。
はじめに西弁護士からの質問に答えるかたちで、角川被告は、逮捕されて検察の取り調べを受けるまで、
1)KADOKAWAから高橋治之被告(公判中)へ金が流れていたこと
2)組織委理事の高橋治之被告がみなし公務員だったこと
3)間に入っていたコモンズ2という会社の存在
について、いずれも知らなかったと述べた。
東京五輪のスポンサーになることについては、公式ガイドブックの出版ができるという電通からの提案は良いと思ったが、それ以上でも、それ以下でもないと考えていた。スポンサーになることに反対ではなかったが、現場社員の高揚感に危惧を感じ、「夢をいだかないように」「(当初の)協賛金10億円の価値はあるのか」と忠告していたとも述べた。
その後の質問と回答のなかでは、東京五輪のスポンサー選定・交渉プロセスについて、すでに有罪が確定している芳原元担当役員、馬庭元室長らから詳しい報告を受けていなかったことが強調された。角川被告自身は、スポンサーになることとは関係のない東京五輪文化プログラムに参画する企画を進めており、
会社(役員会)として推進することが決まった東京五輪のスポンサーの件は、芳原元担当役員以下の業務だったとも話した。
角川被告の起訴理由は、芳原元担当役員、馬庭元室長と「共謀」して、高橋被告に贈賄をした疑いである。次回は来週27日(火)に、検察側からの被告人質問がおこなわれる。「共謀」性をめぐる攻防の本番だ。