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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



■ゴルフ小姐

北京市内の国家体育訓練局のなかにあるゴルフ練習場で、小学生ぐらいの小姐(シャオジェ:中国語で女性の意味)が一生懸命練習をしていた。

彼女の練習方法は、自分の正面に、10cm程度の間隔でボールを5個並べて、手前から順に打っていくやり方だ。後ろのイスに座ったお母さんらしき女性が真剣なまなざしをむけている。5球打ち終えると、お母さんの方をみて、「どう?」と目で訊いている。

まだゴルフを始めたばかりかもしれないが、ボールを打った後も頭の位置が動かない、つまりヘッドアップしないしっかりとしたフォームが身につき始めていた。

2008年北京オリンピックや、2010年上海万国博覧会の影響で、最近の中国経済はバブル状態にあると言われている。確かに、ゴルフ練習場の駐車場には、欧州や日本の「外車」がズラリと並んでいた。

今、世界の舞台で活躍する韓国出身の女子ゴルファーに代って、中国経済の飛躍的な成長の象徴として、中国出身のゴルファーが大暴れする日もそう遠くないかもしれない。


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■国家体育訓練局のゴルフ練習場

北京市内の天壇公園地区に、「国家体育訓練局」がある。中国代表選手のための、いわゆるナショナル・トレーニングセンターだ。

中国代表選手たちの宿泊所、体育館、プール、陸上トラック、そしてゴルフ練習場がある。また敷地内の建物の中には、中国のスポーツ史やオリンピックなど世界的な大会での中国選手の活躍の歴史などが展示・解説されている部屋があり、一般にも公開されている。

日本で言えば、東京・板橋のNTC(ナショナル・トレーニング・センター)と東京・国立競技場のなかにある秩父宮記念スポーツ博物館が一緒になったものと言えるだろう。

おもしろいと思ったのは、一般の人が使える(もちろん有料だが)打ち放しのゴルフ練習場があることだ。200ヤードの打ちっぱなしで、打席は1階と2階あわせて80もある、かなりりっぱなものだ。ちなみに、中にあるゴルフショップは日本のミズノ社の独占である。

そのゴルフ練習場の打席の先、ボールが散らばっている広大なスペースをよく見ると、サッカーのピッチが2つ並んでいる。ゴールもちゃんと2組おいてあった。施設の関係者に、
「サッカーのトレーニングもここでやっているんですか?」
と聞くと、そうではないらしい。日本と同じように、サッカーの代表チームは、別の場所に専用の練習場があるということだった。

「じゃぁ、このサッカー場は?」
と聞けば、体操やバレーボールなど、サッカー以外の競技で、ここでトレーニングする選手たちが、週に1、2回、気晴らしにサッカーをするために使われるらしい。

「毎日、毎日、同じ競技ばかり練習してたら、あきちゃうでしょ」


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■Jのチームの中文表記は?

北京オリンピックには関係ないサッカーの話を少し。

中国に行くと、必ず「足球」というタブロイド版の新聞を買う。値段は、2元(約30円)の、文字通りサッカー新聞である。当然のことながら、何が書いてあるかはわからないが、ただなんとなく想像がつくところが面白い。それと、中国以外の選手の名前やチーム名が、中文(中国語)でどんな風になっているのかも興味がある。

5月19日(土)に買った「足球」には、その節の各国のリーグの予想が載っていた。どうも、世界中の対戦がトトカルチョの対象になっているようだ。(中国人の通訳がいたのだが、確認し忘れてしまった。)

当然、その中に、日本のJリーグの対戦も載っている。5月19日(土)と20(日)のカードである。それを見はじめたら、各チームの愛称の表記が結構面白いのに気づいた。中文では、元の意味と発音を勘案して、漢字を当てはめる。苦労しているものもあれば、簡単なものもあるようだ。

以下、列記しておくので、楽しんでいただきたい。なお、この節、試合がなかった山形は載っていなかったため、中文表記はわからず。山形のファンのみなさん、ごめんなさい。

大阪飛脚、柏雷素尓、新潟天鵝、鹿島鹿角、名古屋八鯨、浦和紅■(■=金へんに占)、大分三神、川崎前鋒、大宮松鼠、FC横浜、千叶市原、広島三箭、甲府風林、清水心跳、磐田山叶、神戸■利船(■=月(にくづき)に生)、横浜水手、FC東京

札幌岡薩多、水戸霍利克、草津温泉、京都不死鳥、福岡黄蜂、鳥栖沙根、仙台維加泰、徳島沃堤、東京日視、湘南比馬、大阪櫻花、愛媛FC


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■北京の青空に溶け込む「水立方」

「鳥の巣」を見た後、メイン会場周辺をぐるりとまわっているとき、なにやら水色に鈍く光る建物が一瞬見えた。いや、ずっと見えていたはずなのだが、強い日差しに負けて、目をそばめてしまうと、ふと消えてしまうのだ。

表面を水泡に見たて、フッ素樹脂で覆った「国家水泳センター(通称、水立方=ウォーターキューブ)」は、キラキラ輝くブルーの表面が、北京の青い空に同化してしまう、まるでカメレオンのような建物だ(写真)。

この不思議な建物に中でおこなわれる競泳競技では、決勝戦の開始時間が問題になっている。

ばく大な放送権料を払っている米国NBCテレビの要請で、水泳の決勝レースが午前中になりそうなのだ。北京の午前中は、米国ではちょうど夕刻から夜の、いわゆるゴールデンタイムになる。NBCとしては、競泳での米国のゴールドラッシュを生中継したいわけだ。

各国の選手たちは不満をあらわにし、対応が心配のようだが、朝練が習慣になっている日本の水泳連盟は問題ないと言っている。しかし、観客はたまったものではない。

10時に決勝レースが始まるとすれば、その2時間前には会場に到着しておきたい。市内のホテルから会場まで1時間。ホテルを出発するまでの準備に1時間。とすると、水泳の決勝戦をゆったり、じっくり見るためには、朝の6時に起きなくてはならない。

北京オリンピックは、選手だけでなく、観客もコンディションを十分に整えてのぞまなければならない大会になりそうだ。

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■巨大な「鳥の巣」

北京市内を囲む環状道路は、中心から二環路、三環路、四環路とあり、それに東西南北の方角を加えると大体の位置がわかるしくみだ。

北京オリンピックのメイン会場は、北四環中路のすぐ北側の広大なスペースである。その南側(北四環路と北三環路の間)には、「奥林匹克体育中心(オリンピック体育センター)」という、1990年に開かれた北京アジア大会の会場がある。

北京五輪のメイン会場へは、市内の中心から、車で約1時間弱。地下鉄が開通すれば、3、40分でたどりつけるだろう。そのメイン会場エリアで、異彩を放っていたのが、メインスタジアム、通称「鳥の巣」だった(写真)。

その巨大な「鳥の巣」は、地元の人たちにも大いに関心をもたれているようだった。ぐるりと囲むフェンスがとぎれている工事現場への入り口付近には、出入りするトラックの合間をぬって、観光客や作業員たちが、「鳥の巣」をバックに記念撮影をしていた。

周辺の工事の進み具合をみると、まだまだ先は長いな、という思いは避けられない。しかし、「鳥の巣」を目の当たりにしたとき、ここからどんなアスリートが飛び立っていくのかという期待感がわきあがってくるのも確かである。

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■五輪に向けて工事中

5月18日(金)から20(日)まで、オリンピックの準備のために、初めて中国・北京市を訪れた。中国は、これまでに上海、蘇州、瀋陽に行ったことがある。どこも、その表情は違うが、首都、北京も想像を大きく越えていた。

今の北京を、一言で形容するなら「スクラップ&ビルド」か。

北京国際空港を降り、タクシー乗り場に向かえば、その横は、空港から市内に向かう鉄道の工事中だ。今のところ、タクシーとバスしかないので、鉄道ができれば便利このうえない。来年8月の北京オリンピックのときには利用できるはずなのだが……。日本なら、間違いなく出来上がるのだろうが、他の国の場合、必ずしもスケジュールどおりいかないことがある。

1990年のイタリア・ワールドカップの観戦にローマに行ったときのこと。レオナルド・ダ・ビンチ空港からローマ市内に向かったツアー用バスのなかで、ガイドから「空港から市内に通じる鉄道の建設が、残念ながら間に合いませんでした」と聞いた。ローマ市内でも、W杯に向けて改装していた「トレビの泉」は、結局、大会が終わっても、まだ工事中だった。

北京首都空港から北京市内まで、タクシーで約1時間。ロサンゼルスを思わせる広大な街の様子を眺めながら、ローマのことを思い出した。


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UEFAチャンピオンズリーグ決勝
ACミラン 2対1 リバプール
(フジテレビ)

3時35分にセットした目覚ましの音に飛び起き、8チャンネル(フジテレビ)をつける。青嶋達也アナウンサーでなかったことに、ちょっとがっかりした。そして、番組の冒頭にゲストとしてSMAPの木村拓哉と香取慎吾が登場したときには、「どんな中継になるのか?」と心配になり、すっかり目が覚めてしまった。しかし、試合中に2人が出てくることはなかった。

それは、それでよかったのだが、実況アナウンサーの西岡孝洋がかなりうわずっていて、解説の風間八宏の安定感で、どうにかもっていた感じだった。やっぱり、じっくり楽しむためには、スカパーに入るべきなのか。

ちなみに、ビデオリサーチ・関東地区の視聴率は、3時35分からの85分間(続きは翌日分なので、5/25に公表される)で、2.2%だった。やっぱり、サッカーファンは、みなスカパーで見ているのだろうか。

2年前と同じカードとなった決勝戦は、ジェラードを中心にしたリバプールが流れをつくり、優勢に進めるなかで、組織としては分断されたACミランの個性が輝いた試合だった。

インザーギの裏への飛び出し、カカのしなやかなドリブルとパス、ガットゥーソの激しい守備と確実なボールキープ、ピルロの長短おりまぜたパス、ネスタとマルディーニの堅い守備など……。

この試合、カカやインザーギ、セードルフはたびたび試合から消えていた。それだけ、リバプールの守備も巧みだった。しかし、いったん現れたときには、ひらめきを感じさせるプレーをし、ピッチにきらめきを、サポーターに希望をもたらした。

少し前に、「勝ちに不思議あり、負けに不思議なし」という言葉を、元帝京高校サッカー部監督の古沼さんから聞いた。「どうして勝てたのかな」という試合はあっても、「どうして負けたのかな」という試合はない。つまり、敗戦には必ず思い当たる理由があるというのである。

リバプールの敗因は何だったのだろうか。カカとインザーギがいなかったことだと思った。


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Mastercard スペシャルマッチ 第2戦
ジャパンXV 6対36 クラシック・オールブラックス
(2007/5/12 秩父宮ラグビー場)

秩父宮ラグビー場を埋めたファンが期待していたのは、クラシック・オールブラックス(以下、CAB)の面々が、代表を引退したとはいえオールブラックスらしいラグビーを見せてくれることと、日本代表が、クラシックと名がつくとはいえ、あのオールブラックスに一泡吹かせることの2つだった。

しかし、願いは一つしかかなわなかった。CABの巧さばかりが目に焼きつき、今秋、W杯に挑む日本代表は、無抵抗状態で、ノートライで敗れたからだ。

試合の印象は、まるで、部活の現役対OB戦のようだった。学生時代に体育会系の部活に所属していたならば、誰もが経験があるのではないか。現役がスピードやパワーを武器に立ち向かうも、精神的に上に立つOB連中が匠の技でかわしていく。

この試合では、オールブラックスのOBであるCABが、余裕のある巧みな試合運びを見せ、現役日本代表の力を完全に封じ込めてしまった。

かつて、日本代表を相手に100点以上とったときのように、縦横無尽に走り回ることはなかったが、一人ひとりがしっかりとボールをキープし、つなぐ姿勢は、王者の余裕だった。さらに、そのなかで、SOマーテンズの正確なキックや、WTBロムーの激走、FBスペンサーの個人技を見ることができた。(ちなみに、この3人が、選手紹介のときに拍手が大きかったベスト3だった。)

あまり激しくないように見える守備でも、混戦の後にグラウンドに倒れているのは日本選手ばかりだった。スピードで抜けそうなラインも、いざ突破しようとすると強固な壁になる。ツボを押さえた、ベテランならではの守備技術を感じた。

対する日本代表は……。

残念ながら、書き留めておこうと思うことはなかった。フランスW杯まで、あと4ヶ月。ガンバレ!というしかない。

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ACミラン 3対0 マンチェスター・ユナイテッド
(2007/5/3 フジTV)

UEFAチャンピオンズリーグ・準決勝の第2戦。ヨーロッパの、というよりも世界のベスト4が頂点への挑戦権を目指す試合である。なのに、これほどの大差がついてしまうものなか。

第1戦を2対3で落としたACミランが、ホームのサン・シーロで見事なサッカーを展開し、マンチェスター・ユナイテッドを3対0で下した。とくに前半は、完全にミランが支配し、まさに大人と子どもの対戦のようだった。

ACミランの堅く、しぶとい守備網を個人の力でなんとか突破しようとするルーニーやC・ロナウドが、ただの悪童の悪あがきにしか見えなかった。

注目は、なんといってもACミランのカカだった。第1戦で2得点し、決勝への望みをつないだ。そのカカは、この試合でも先制点を奪い、大活躍したのだが、カカだけではなかったのがACミランだった。

カカの影のように連携しながらチャンスをつくりだすセードルフ。その後方でピルロが試合全体をコントロールする。そのピルロをガットゥーソが力強く、精力的な動きでサポートする。彼らの活躍によって、ミランの中心には核ができていた。

そして、ミランは、選手の個性を際立たせながら、組織としても攻守にしっかりとまとまっていた。「個か、組織か」という議論の余地などない、「個と組織」の見事なほどの両立があった。

この試合、前半の途中で、C・ロナウドがガットゥーソのマークを避けるために、ポジションを変えてしまった時点で、勝負は決した。

いよいよ決勝戦。ホーム、サン・シーロで完勝したACミランは、中立の地でどんな戦いを見せてくれるのだろうか。

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西武ライオンズの裏金問題が引き金になって明るみ出た高校野球の特待生制度が、大きな問題になっている。

今度の件で、ぼくは、高校球児には特待生制度が認められていないことを、はじめて知った。野球以外のスポーツでは普通におこなわれているので、野球なら当然のことだと思っていた。甲子園大会で上位に進出する高校なら、全員が特待生クラスだと思っていた。しかし、人気が高い野球だからこそ、自らの学生野球憲章で自制(禁止)しているということだ。

自らを律する学生野球憲章のあり方は美しいかもしれないが、あまりに現実離れしているのも事実である。また、高校野球を監督する立場にある日本学生野球協会や日本高等学校野球連盟の関係者が、実際に、規則どおりに、特待生が存在しないと信じていたのなら、あまりにもおめでたいというべきだろう。

さらに、今、これだけ世間を騒がしている「特待生制度問題」について、日本学生野球協会や日本高等学校野球連盟のホームページでは、ないひとつふれられていないのもいかがなものかと思う。

全国の野球有力校が、次々と特待生制度を認め、公式戦への出場を辞退するのを新聞で読んで、ぼくは、こう思った。

「今回、特待生制度をとっていた、いわゆる野球学校は、高野連を脱退して、有力校だけの新組織をつくって、新しい大会を開いたらどうか」

歴史のある甲子園大会に、すぐに追いつくのは、むずかしいだろうが、野球で名を売りたい学校、プロに進みたい高校生、優秀な選手を見つけたいプロ側の三者の思いが一致しているのだから、案外とうまくいくのではないか。スポンサーだってつくかもしれない。

とくに、一番の当事者である高校球児にとっては、従来の高校野球と新しい高校野球という選択肢をもつことができる。同年代のサッカー選手の場合には、部活(学校)とクラブという選択肢がある。誰もが自分の好きな道に進めるというものではないが、自分がどうサッカーと関わっていきたいのかを考えるきっかけにはなるはずだ。高校球児にも、自分の道を考えるための、時代に即した機会が必要だろう。

高野連が実施しているスポーツ特待生制度の実態調査では、締め切り前日の段階で、特待生制度に違反していると答えた学校が300を超えた。あと1日で、さらに増えることは間違いない。新組織をつくるには十分な数ではないか。

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