たった1枚の”広島インターハイ行き切符”を賭けて決戦の舞台である八橋陸上競技場に相対した両校。
「緑」秋田南。そして「赤」秋田商業。
前半戦はわずかしかなかった決定機(ゴールのチャンス)を逃さず、先制ゴールを挙げた秋田南。
その後は、秋田商業のサイドを起点にした多彩な攻撃に耐え、跳ね返し、奪い返し続けました。
大会を通じて披露してきた”堅守”はこの大舞台でもブレることなく、徹底してました。
…しかし、守備一辺倒であるがゆえ、徐々に選手たちの体力は奪われ始め………。
さあ!決勝戦「秋田南ー秋田商業」の後半戦をプレイバックしてまいりましょう!
ハーフタイムを終えてロッカールームから出てきた選手たち。
その表情からは前半戦35分間で見られた集中力を高めたままの闘争心いっぱいのギラギラした眼をしていました。
円陣。何人かの選手が円陣の輪の中心に入り、大きな声を出してます。チーム全体が盛り上がりました!
さあ、後半戦開始です!
後半0分。1分にもならない時間に、秋田南がファール。秋田商業が直接FK。
そのFKは秋田南が触り、左CKへ。開始早々のピンチは脱します。
後半1分。秋田商業7番君が相手選手に深いタックル。ラフプレーによりイエローカードが提示されます。
直後、秋田南が左サイドからの攻撃。11番君がクロスを上げ、中央の18番君がヘディングするもタイミングが合わず、ゴールには届きません。
後半3分。秋田商業が数的優位の状況下、速攻を仕掛けます。秋田南DFラインの裏に出たボールを秋田南GK1番君が飛び出します!
しかし秋田南1番君ボールに触れなーーーい!
秋田南のゴールマウスにキーパーもいない中、秋田商業FWがドリブルで秋田南DFと競り合い!
しかし秋田南DFが体ごとシュートブロック! 絶体絶命のピンチを奇跡的に脱します!
気迫が伝わる素晴らしい守備です!
後半6分、秋田商業の右CK。ボールは混戦になり、ゴール手前に転がったボールを秋田商業がシュート!
このシュートは観ていた誰もが決まった、と思った瞬間でした。
しかし!しかしーーー!
このゴール手前のシュートも秋田南の選手が体ごとブロック! なんという執念か! なんという集中力か!
後半戦は、前半戦以上に秋田商業が、しっかりとマイボールをパスで展開していきます。
この大舞台でも選手は、非常に落ちいていて、状況判断も冷静に、そして的確に出来ています。
一方の秋田南は、マイボールにすることがほとんどできなくなってきました。
クリアボールはほとんどが、秋田商業に拾われていき、守備一辺倒になってきています。
防戦一方の秋田南は、後半13分ファール。左エリアからの秋田商業直接FK。
そのクロスボールは、フリーで待っていた選手がHS(ヘディングシュート)もわずかにゴール左の枠外に。
これも危ないシーンでした。
同14分、秋田商業は右サイドで11番君から10番君へ。10番君がクロスを供給するも秋田南GK1番君キャッチ。
同15分、秋田商業の浮き球の縦パスを胸トラップした11番君を、秋田南がファール。右からの直接FKもピンチ脱出。
秋田商業は右サイドMF(≒右ウイング)11番君がフリーでボールを受けることが多く、そこからドリブルでの仕掛けを多用しています。秋田南は左サイドを守る5番君、11番君はしばしば守備で帰陣せざるをえなくなります。
秋田南、後半の時間が経過するにつれ、さらに秋田商業の攻撃への対応の時間が続いていきます。
FW10番君のみをひとりワントップに残し、もう一人のFW9番君は1列降りて、中盤での守備に加担しています。
相手エリアの深い位置からのスローインでは、秋田商業はロングスローをたびたび活用。
ゴールエリアあたりまでボールが届くため、秋田南はその防御とセカンドボールの対応になります。
後半23分。試合終了まであと12分あまり。
秋田南GK1番君へのラフプレーで秋田商業FWにイエローカード提示。
GK1番君は、ピッチ内で治療を受けます。その他FPの選手は飲水を取ります。
そしてその治療時間の数分間で、
わたくしN岡はピッチそばでのカメラ撮影を終え、正面スタンドの秋田南側応援席に戻ります。
そうです!
優勝の瞬間は、南高OBのみんなと、そしてご父兄のみなさんと迎えたい、と戻ってきたのです!
2年前と同じ瞬間、同じ光景を見るために。
秋田南GK1番君の治療終了。秋田南観客席から拍手が上がります。そして試合再開!
後半27分、終了まであと8分。秋田商業はまたもロングスロー。
ゴール前の混戦でボールはCKへ。右CKのクロスを秋田商業がシュートも秋田南がワンタッチ。再びCK。
このCKのピンチも脱します。
そして29分、歓喜の瞬間まであと6分。
秋田南が久々の速攻で攻撃に移ります。11番君のクロスを18番君が左足ダイレクトシュートもゴールポストに。惜しい!
後半30分、あと5分。秋田南が右からのFK。チームの支柱、3年生10番君がHSも左の枠外へ。ゴールキック。
後半31分、あと4分…。あと4分…。あと4分…。守り切ってくれ!頑張れ秋田南!!
そうつぶやいていたN岡が見たピッチの光景。
秋田商業のスコアボードが「0」から「1」に変わってしまいました。
ロングスローのボールが中央へ。秋田商業18番君が秋田南DFと競り合いながらボールをキープ。
中央から右にドリブルで切れ込みます。秋田南DFを振り切り中央へグランダーのクロス。
ゴール前でフリーになった秋田商業11番君がダイレクトでシュート。ついに同点に追い付きます。
湧きあがる秋田商業の選手、ベンチ、応援席。
一方の秋田南。落胆するようすは見られず、すぐにキックオフに向かいます。
秋田南応援席からも激励の掛け声が次々とピッチ上の”緑の戦士たち”に掛けられます。
後半33分。秋田南4番君がスライディングタックルが無謀で危険を及ぼすと判断されイエローカードが提示されます。
同35分+アディショナルタイム1分。秋田商業右足シュートも枠外へ。
直後、再び秋田商業がミドルシュート。これは秋田南DFがスライディングでシュートコースを消しブロック。
素晴らしいディフェンス対応!
ここで前後半70分間が終了。決勝戦は延長戦10分ハーフ(計20分)に移ります。
延長戦開始。
ここまでの間、秋田商業の猛攻を跳ね返し続けてきましたが、
秋田南の全選手はかなり疲労しているようすが応援席からも感じ取れました。
本当に”緑の戦士たち”はこの試合、この時間まで頑張っていました!
ボールはクリアしてFW10番君につなげて速攻を仕掛けようとするも、マイボールは続かず秋田商業に奪われ、また守備の対応になります。
延長前半2分、秋田南が初の交代。先制ゴールを決めた殊勲の18番君が交代。小柄な19番君が入ります。
運動量が落ちてきていた傾向の秋田南は後半開始からゴールへ向かう姿勢を強め、全員がラインを上げて攻撃を仕掛けていきます。
延長前半4分頃でした。ついに勝ち越し点を許すことになります。
秋田商業20番君が左から斜めのクロス。秋田南センターバックの間を抜けてDFの裏にボールが出ます。
このボールに斜めから走り込んで中央でフリーの状態になったのが秋田商業9番君。
胸の高さほどのボールをヘディングシュート。秋田南GK1番君は懸命のセーブ。しかし届かない!
ついに、秋田商業2-1秋田南となります。
延長前半6分、秋田商業右コーナーキックからクロス。HSもゴール枠外。
同9分、秋田商業20番君から13番君へ渡るも秋田南はピンチ脱出。
延長戦後半の開始。秋田南は追いつくしかありません。あと10分の勝負です!
開始直後、秋田南10番君分左足シュートもゴールならず。
同5分、秋田商業ワントップ9番君が左足シュートもGK1番君キャッチ。
追いつきたい秋田南、もう残す時間はわずかになってきました。ボランチ6番君OUT → 3年生8番君IN。
直後、秋田商業はFKから9番君が左足シュートも枠外。
秋田商業9番君はこの試合の出来は素晴らしいプレーばかりでした。
試合終了のホイッスルまであと1分。秋田南は右からのロングスロー。この好機に同点ゴールを目指します。
しかし得点ならず。
続いて右からの直接FK。ゴール前に人数を賭けて同点ゴールを狙いに行きますが、これもゴールならず。
そして試合終了のホイッスル!
今大会、フィールドプレイヤーで唯一の3年生でスタメンを続けた10番君。
チームの攻撃の起点として、精神的支柱として、残る2年生の選手たちを引っ張ってきました。
ゴールこそはありませんでしたが、強靭なフィジカル、サイドからのクロスを供給し、
まさに最上級生にふさわしい存在感で決勝戦に導く活躍をしてきました。
試合を終了するホイッスルが鳴ったその瞬間…
赤色のユニフォームの選手がガッツポーズをしている中、
相手ゴール近くでその場にうずくまり号泣しています。なかなか立ち上がることができません。
南高サッカー部2年生のみんな。
君たちは10番君のこの姿を見ていましたか? 今も記憶していますか?
高校サッカー3年間で集大成のこの大会に、最後まで全身全霊で闘い続け、願い届かず敗れた瞬間の先輩の姿を。
そして、延長前半秋田商業の9番君に決勝ゴールを奪われたあのシーン、あの瞬間を。
南高サッカー部1年生のみんな。
君たちはバックスタンドから、3年生の先輩、2年生の先輩の姿を見ていましたよね?
その姿を今も記憶に留めていますか?
歯を食いしばって走り続け、ボールに追いつけないと思うと、体ごと投げ出してシュートやドリブルを防ぎにいった、あの姿を。
試合に出場した選手たちは、自分の為にゴールを目指していただけではないのです。
…”出場できなかった控え選手”の為に走り、ゴールを目指し、勝利をつかみとってきたのです。
試合終了後、涙にくれる3年生10番君は、君たち下級生に託すメッセージを残しピッチを後にしました。
「この”大舞台”にもどってきてそして必ず”俺の届かなかった目標を達成してくれよ”」と伝えたかったと思います。
今大会、試合重ねるにつれて秋田南高校サッカー部は成長し、逞しくなってきました。
堅守、献身、走り続ける運動量、そしてチームワークの良さ。
得点の奪えない苦しい試合も、チームの結束力で難関を越えてここまでやってきました。
残念ながら「全国の舞台」に届かなかった”緑の戦士たち”でしたが、この大会の健闘を称え、ねぎらってあげましょう!
最後は秋田南高校サッカー部の今大会の全成績をご紹介し、今大会を締めくくり「事務局ブログ」を終えたいと思います。
南高サッカー部は6月18日からの「東北高校総体」に秋田県第2代表として出場します。
今後も秋田南高校サッカー部をどうぞご支援くださいますよう、お願いいたします。
※ ※ 第62回秋田県高等学校総合体育大会 サッカー競技 ※ ※
※ 3回戦 ※ 秋田南 2-0 由利工業 (前半1-0)(後半1-0)
※ 準々決勝 ※ 秋田南 0-0 西仙北 (前半0-0)(後半0-0)(PK4-2)
※ 準決勝 ※ 秋田南 3-0 秋田工業 (前半1-0)(後半2-0)
※ 決勝戦 ※ 秋田南 1-2 秋田商業 (前半1-0)(後半0-1)(延長前半0-1)(後半0-0)
秋田南高校サッカー部を応援するこの「事務局ブログ」は
今後も引き続き発信してまいりますのでどうぞご覧いただけたら幸いです。
URL : http://blog.goo.ne.jp/spirit_of_nanko