井上しんごブログ

北九州市議の井上真吾です。何かあったらいつでもどうぞ、私の携帯電話は070-5690-1423です。😄

井上しんごの議会報告   教育水道常任委員会傍聴編 「特定の教科書会社の採択を議会が議決するな!」

2011年07月14日 | 日記
7月7日(木)の10時から行われた市議会・教育水道委員会で、日本会議北九州支部から「市の中学校で使う歴史・公民の教科書は、育鵬社か自由社のどちらかを使うよう求める」請願と、子どもと教育のために手をつなぐ会から「教科書採択が民主的に行われるために、議会と教育委員会との違いを踏まえ、特定の教科書会社を採用するなどの決議を行わないことを求める」陳情が出されました。私は経済港湾委員会に所属していますが、ことの重大性から今委員会を傍聴し、以下ご報告します。

特定の教科書会社の採択を議会が議決することは、教育委員会の独立性と自主性を否定するものであり、議会による教育への不当介入の何者でもない

同じ委員会に、それぞれ主張の全く異なる二つの請願・陳情が出されることは珍しく、今回は双方の主張を、議員がぶつけ合う委員会となりました。当日は傍聴者も多く、議員の傍聴も私以外に、自民党から団長クラスと政策通の2人の議員が参加しました。
まず、日本会議北九州支部長は口頭陳述で、福島原発の放射能被害で近隣の漁業・農業が風評被害を受けているとして、「新しい歴史教科書」(扶桑社)についても、朝日と労働組合によって、私どもが戦争肯定派という風教被害を受けている。自身も朝日新聞の元社員とした上で、風評被害の犠牲者は我が国の子ども達だと」述べ、育鵬社と自由社の教科書を採択するよう求めました。
続いて、手をつなぐ会から、「私達は来年度使用する教科書を閲覧してきた。教科書会社によって内容がずいぶん違い、特に社会科は顕著だった。特に見過ごせないのが、問題の教科書は、記事の盗作を指摘されている他、多くの事実誤認で国からも修正を指導されている。教科書には真実を書いてほしいと願う。NHKの朝ドラ・「おひさま」では、主人公の若い教師が子ども達の教科書に墨を入れさせ、涙を流していた。多文化との共生が求められる今日の日本社会で、この教科書は受け入れられるものではない。新教育基本法にも、教育委員会は不当な支配に屈することなくと、記されている。特定の教科書の採択を求める決議をしないことを求める」と議会で発言しました。
続いて教育委員会は「市内8ヶ所での教科書の市民閲覧でのアンケートや、全学校での教師のアンケートを元に、教科書選定委員会で協議し、7月末に教育委員会で決定する」とし、採択に当たっては「公平を確保し、本市の地域的な特性と、子どもの実態を踏まえ採択する」と答弁しました。自民党の議員は「議会には決定権がないのか。反問権や反対の意見を述べる場はないのか」と質問。市は「議員の意見は真摯に受け止め、市民の代表ということを加味していく。議員の意見は教育委員会会議に報告する」と答弁しました。次に共産党の荒川議員は、問題の教科書が他社の教科書を盗作した事実を市に確認し、「特定の教科書の採択を求めて議会が議決することは、組織的に圧力をかけることであり、極めて不適切」と断罪しました。委員長は、公共工事であれば、この会社に決めてくれということであり、違和感があると指摘しました。最後に委員長の継続審議(一時棚上げ)の提案に対し、自民党から採決を求める動議が出されました。採決の結果、共産、民主、公明の賛成多数で継続審議となりました。