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同じ本を2冊持っている(その9)マヌケ編

2010-12-28 04:50:13 | 読書
同じ本を2冊持つことになるのは、最初買った本を良く読まずに、持っていることを忘れてまた買ってしまうこともあります。間抜けな場合です。年末に来て、納戸の蔵書を整理していたら出て来たのが山口昌哉さんの『食うものと食われるものの数学』(筑摩書房、1985年初版)2冊です。

ご丁寧に、同じ書店(神田の明倫館)で購入しています。一冊には2005年2月23日に購入したことを鉛筆で記入してありました。本の腰巻には「数学とは何か?生命を数学で表現できるか?生物の世界を数学で描いたらどうなるか?」と書かれています。
同書は最近になって「ちくま学芸文庫」から『数学がわかるということ ─食うものと食われるものの数学』と改題されて発行されました。名著だからでしょうね。今度はきちんと読んでみよう。

そして『生物のかたち』も発見しました!この画像の本を最初に買いました。1994年2月27日であると鉛筆書きされています。ダーシー・トムソンの本は2007年に「空間の最密充填(ケルビンの14面体)続き」で取り上げました。この記事で使った本は、最初に買った本が行方不明になって多分明倫館で買い直した本です。その後この本は友人に頼んで裁断機にかけて解体し、富士通のスキャンスナップを通してPDF化しました。文字認識もされているので検索することも可能、iPadやKindleのような端末に入れて持ち歩くことも出来るでしょう。でも紙には紙の良さもありますね。

上の図は同書でも有名な図版です。(a)ヒト、(b)チンパンジー、(c)ヒヒ、(d)イヌの頭蓋骨です。トムソンは進化を座標変換の立場から考察しています。当時は勿論、今でもその切り口の新鮮さに驚かされます。本書は以下の言葉で結ばれています。

「雄弁家であり、アリとハチの学徒であった、かの偉大な博物学者ファーブルによって、"かたちと数の科学"が豊かな愛情と洞察力をもって賛美されている。彼は、プラトンやピタゴラスの精神を受け継ぎ、数というものに事物の成因をみるとともに、宇宙の天蓋を開く鍵を見出した。筆者は、いまは亡きファーブルへの深い尊敬の念をもってこの書物をしめくくりたいと思う。」202ページ

私は"かたちと数の科学"をピタゴラスやプラトンが確立したとはもはや思っていません。これについては稿を改めて書きたいと思っています。

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