国語職人       社会職人

近道は無く,魔法も無い。
確かな技術に裏付けられた実力が大切。

琴線に触れる--国語の記述について

2015-04-14 00:22:52 | 日記
つまらない文章で,無理に記述をするから,記述が嫌いになると思います。

陶磁器の目利きに育てるには,一流のものしか見せない,そうすれば,二流のモノを見分ける目が出来る,と言う話を聞いたことがあります。

私も,生徒に記述を求めるときは,良い文章,琴線に触れる文章を読んでもらって,どう表現するか,どう気持ちを表すか,を学んでもらいます。


いくつか,あげると。


安房直子の「ホタル」

東京のおばさんのところに,妹のかや子がもらわれて行った。「おにいちゃん,さいなら。」。そう言って,汽車に乗っていく。一郎は,ぼんやり見ていただけ。一晩寝て起きて,やっとほんとのことだと思った。(そして,一郎は,幻を見る。現実と幻想の世界がパタン,パタンと入れ代わる。そして,一郎は....。)


重松の「タオル」

漁師のお祖父さんの葬式。お祖父さんの死を実感できないでいた。お祖父さんの写真を見て,手紙を見て,そして,お祖父さんのタオルの匂いをかいて。自分にも,お祖父さんの血が流れていることを実感する僕。そして。。。。


重松「ねじれの位置」

勉強でも,運動でもスターの僕。でも,転校生がやって来て,その座を奪われる。密かに思いを寄せていた女の子とその転校生が親しげに話をしているのを見た僕は。。。。。



自分の思いをどう表現するか。道徳的に正しいことを書くことが求められている,と思います。



まさか,ナイフを持って転校生に襲いかかる生徒を,中学は欲していないでしょう



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