ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

2023年8月にテーマ・タイトルを変更(旧は外国語関連)
2015年4月にテーマ・タイトルを変更(旧は健康関連)

はじめに・・・

 動物の生活様式の本質は遺伝因子に刻まれており、ヒトにおいても難しいことをせずにそのような生活様式を取り入れてみることが健康への第一歩と思います。なぜなら、生物の進化を考える際は、生活様式が最重要と考えるからです。動物であれば何を食べて生きていくのかということが課題で、生活様式を変えようとすると、野生動物なら形質形態を変えるべく遺伝因子の変化を伴います。ヒトはいつの頃からか文化を持つようになり道具・技術を進展させてきましたが、生活様式が刻まれた遺伝子による自動制御の重要性は変わらないと思います。(2024年9月記)

 外国語テーマも長く続かずなので、従来の健康ブログに戻してみようかと思いまして・・・ 備忘録的に残しておくと旧タイトルは「タイ語、漢字を使って覚えるの?」でした。(2023.8月記)


 従来の健康ブログ時に記事を書いていて、何故か、そろそろ外国語でも勉強した方がより良いかなーと思いつきまして、以来ちょこちょこと続けてきましたが、なんとなく、ある事を覚えると別の事を忘れてしまうモードに入ってしまったようで、知識量が停滞しつつあるような感じになりました。
 そこで、本ブログを外国語学習ブログに変更して、自分の備忘録的にまとめておこうかなと思いまして・・・。
 しかしながら、少し飽きたのか内容を増やしすぎたのか、書くのに手間がかかるようになり、時間がとれない時は、別ブログ「単語帳の素材?」にてライトな記事を書くことにしました。(この別ブログも徐々にライトでなくなり、記事を500本ほど書いたところで滞り中・・・)
 なお、健康ブログ時代の記事は、コチラの 入り口 からどうぞ。(2015.4月記)
 最近の健康系記事はカテゴリー「タイ語以外(健康2019)」からどうぞ。

福島の健康調査 (9-1) 甲状腺検査の結果(2013.6月)

2013年06月08日 |  症例(報道ベース)

〔更新履歴:6/9報道追加〕


 今週5日、福島県の「県民健康管理調査」検討委員会の第11回会合が開かれ、新たな情報が公表されたのでまとめとおこう。

 今回は、甲状腺検査について。過去記事をおさらいしておくと長くなりそうなので、文末の関連記事をどうぞ。

A. 関係報道

 例えば、次があるだろう。5日の独自取材による東京新聞朝刊の2面記事(いわゆる前打ち)をウェッブ化したものだと思うけど、

甲状腺がん「確定」12人 福島の18歳以下、9人増
2013/6/5
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013060502000133.html

 多分これを参考にしたであろう通信社(共同通信)の記事は、初出のものは更新されてみつからないので、初出らしい記事を引用したブログ「Nuclear F.C : 原発のウソ」の記事から、

甲状腺がん「確定」12人に 福島18歳以下、疑いは15人
2013/6/5
http://blog.livedoor.jp/ryoma307/archives/7158004.html

 ついでに、福島民報は1日遅れたのか、

放射線の影響否定 甲状腺がん診断確定12人に
2013/06/06
http://www.minpo.jp/news/detail/201306068849


・6/9追記: 一つ報道を貼るのを忘れていたが、こんな指摘もなされたいたようだ。朝日新聞の記事を引用したサイト「低気温のエクスタシー byはなゆー」の記事から、

福島の子供の甲状腺癌発症は「原発からの距離に比例する傾向がある」
2013年6月6日
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2013/06/blog-post_4867.html


 各社とも、甲状腺腫瘍で悪性及びその疑い診断の数が急増した点が見出しになっていたようだ。


B. 公表資料

 詳しい資料については、福島県のサイトから(「県民健康管理調査」検討委員会について http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24809)、

第11回「県民健康管理調査」検討委員会(平成25年6月5日開催)
資料2 県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況及び検査結果等について
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/250605siryou2.pdf (pdfファイル)


 幾つかデータを貼り付けておくと、

図1 福島県の甲状腺検査一次検査の結果概要(2013.3月末現在)
出典)前掲資料5頁。



図2 福島県の甲状腺検査二次検査の実施状況(2013.5.27現在)
出典)前掲資料9頁(一部改編)。




図3 福島県の甲状腺検査二次検査の結果概要(2013.5.27現在)
出典)前掲資料11頁。




 これらの表は一覧性がなくわかりにくいので、過去記事
   福島の健康調査 (8) 甲状腺検査の結果(2012.11月) 2112/11/20
でも掲載したまとめ表を更新しておくと、

図4 福島県「県民健康管理調査」の甲状腺検査の結果概要(2013.6月)
出典)前掲資料から作成。


 前回2月の第10回会合のときは表の更新をサボったので、それもあげてあくと、

図5 福島県「県民健康管理調査」の甲状腺検査の結果概要(2013.2月)
出典)第11回「県民健康管理調査」検討委員会(2013/2/13開催)の資料から作成。


C. コメント

 甲状腺の異常率(A2、B及びC判定の割合)は、今回若干増加したものの40%前半で安定しており、これまでと似たような傾向であったことが確認できる(前回2月41.8% → 6月43.2%)。

 他方、1次検査対象の子供約2,200人に1人の割合(10万人あたり46人の割合)で悪性及びその疑いが出現していて、かなり急増している(前回2月は約3,400人に1人の割合(10万人あたり30人の割合))。数値が安定せずに急増する理由は、未だに2次検査終了率が33.6%と低いこと、全員に細胞診を実施していないことなど影響していると考えられる。何かを隠すために小細工をしているのではないかという疑いを晴らすためにも、以前の過去記事(福島の健康調査 (6) 甲状腺の細胞診  2012/9/15)でも指摘しているように、早急に終了できるよう体制を整えるべきだろう。


 より大きな課題に目を向けると、甲状腺腫瘍で悪性又はその疑いが既に27名(うち、がん確定診断が12名)に達していることから、既に、福島の子供達が甲状腺がん発症のリスク集団であることは明らかであろう(小児甲状腺がんの発症は通常10万人あたり0.1~0.2人とされている)。他の疾患の発病も考え合わせれば、現状の方針を見直し、チェルノブイリで採用された基準で(放射線管理区域相当以上の高汚染地からは避難など)、福島の子供達の移住(あるいは学童疎開)を検討し順次開始していく必要があるだろう。

 また、現状の検査体制は、異常がないことを確認する目的の下で構築された検査体制なので、これも早急に改める必要があるだろう。特に、1次検査の終了者は、計画されていたとおりとはいえ今年2月から6月の間で約4万人増のみであり、未だに約19万の子供達が検査を待っている状況にある。2次検査はこの4ヶ月でかなり増えたが、3分の2が未だ終了していない。また、通常の場合に検査間隔が2年は空き過ぎていると言えるだろう。移住者及び残留者に対し、甲状腺がんがチェルノブイリより高い割合で発症し得るとの前提の下で、がん早期発見のための検査体制に改めるべきであろう。


 あとは他力本願で、みつけた有用そうな関係記事を貼っておこう。松崎道幸氏(深川市立病院医師)及びユーリ・バンダジェフスキー博士のコメントについては、それぞれ『木下黄太のブログ 「福島第一原発を考えます」』の記事から(同記事で言及された福島の子供の甲状腺がん発症率には少し違和感が残るけど・・・)、

こどもの甲状腺がん、12人確定と15人疑いは、通常罹患率の160倍の恐怖。健康異常が深刻、明確化する福島。
2013-06-05 06:33:00
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/6e30bf486cdd7cf7914b23be58b92aef

バンダジェフスキー博士から、福島でこどもの甲状腺がん大幅増加について、ベラルーシ・ゴメリとの比較。
2013-06-05 15:26:23
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/45fa28d0eebc0ee7d9bbd3deb359861b


 検討委員会の会合の詳しい模様については、議事録はまだ公表されていないので、ブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪」の記事から、

<FFTV速報 前半>委員会新メンバーと甲状腺検査6/5 第11回福島県「県民健康管理調査」検討委員会を傍聴して(内容書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3036.html (「後半」は甲状腺と関係ないので略)


 前掲図2の中段の、28例の年齢・性分布の図というのは資料をみただけでは意味が全くわからなかったのだが、この記事を読んで、個人的にはその疑問が解けたわけである(まさか、そんな内容を示唆する資料とは・・・)。

 また、上記記事では、今回の会合で甲状腺検査の目的が変更されたとの指摘があるけど、単なる言葉遊びで終わるのではなく、実態がどのように改善されるかが問題ではないかとの印象を受ける。
 
 
 ついでに、今日見つけた野呂美加氏の重要な指摘については(前掲図2及び3の郡山部分に関連)、サイト「低気温のエクスタシー byはなゆー」から、

【福島の子供の甲状腺】都合の悪いデーターは参院選終了後に発表される
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2013/06/blog-post_279.html


 上記記事をみて、そう言えば昨年2月に甲状腺がん疑いにかかる週刊文春の記事が話題になったけど(過去記事 福島の健康調査 (4) 甲状腺検査 2012/6/21 参照)、あの子供達も震災時には郡山だったことを思い出した。関係報道を再掲しておくと、J-CASTニュースから、

郡山の4歳児と7歳児に甲状腺がんの疑い!?チェルノブイリと同じ健康被害か
2012/2/23 18:38
http://www.j-cast.com/tv/2012/02/23123195.html?p=all


つづく。但し、新規の点はなくてデータを整理の趣旨)


〔関連記事〕
福島の子供の甲状腺の異常  2012/5/12
甲状腺の異常 〔YNNチェルノブイリ報告から〕  2012/5/30

福島の健康調査 (4) 甲状腺検査 2012/6/21 (既出)
福島の健康調査 (5) 甲状腺検査  2012/9/12
福島の健康調査 (6) 甲状腺の細胞診  2012/9/15 (既出)
福島の健康調査 (8) 甲状腺検査の結果(2012.11月) 2012/11/20 (既出)

〔メモ〕 福島の甲状腺検査への批判 2012/11/30 

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