ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

2023年8月にテーマ・タイトルを変更(旧は外国語関連)
2015年4月にテーマ・タイトルを変更(旧は健康関連)

BMI と尿酸濃度 (4) 短期的な上昇要因

2015年02月04日 | タイ語以外(健康2019-21、尿酸)

〔投稿日:2020-7-12〕


 
 前回記事の中で高尿酸の出現要因として、

脂肪、激しい運動、アルコール、ストレス、過剰な脂質・タンパク質

の5つを取り上げたけど、これらは食習慣、運動習慣、飲酒習慣、仕事などの活動環境と関連していることが多いと思われ、いわば中長期的な要因と言えるだろう。

他方、この5つ以外にも次のような血清尿酸値の上昇要因があり、これらは多くの場合短期的な要因であるとみられる:

・食事摂取による高尿酸
・明け方(毎日)における高尿酸

 

 以上の計7つの高尿酸の出現要因をまとめてQ&A風の文章を書いてみると、前回記事のQ&Aの改訂版として次のようになるだろうか:

 

 

Q 高尿酸となるのはどんな時?
A 従来、高尿酸となるのは尿酸プール(体内にあると仮想)の調節に失敗したときと言われることが多かったように思う(尿酸プール調節失敗論)。これは、昭和の時代に尿酸は「不要な老廃物」という考えが主流だったことを引きずっていることによるものだろう。

 平成が終わり令和の時代となり、高尿酸となるのは自律神経が最適に調節した結果と読める報告が既に十分蓄積されているような気がする。

 高尿酸は自律神経系が腎再吸収や生成の調節により作り出している(自律神経高尿酸誘導論)と考えることとすると、その誘導の意図を読み解いておく必要があるだろう。

 

 結論から言えば、新陳代謝が活性化するときは酸化的損傷を減らすため抗酸化物質が多い方が好都合であり(活性化しそうなときも同様)、自律神経系は生体の組織を長持ちさせるために高尿酸環境を準備していると考えられる(尿酸長寿誘導説を基礎とした考え方)。

 

 新陳代謝の活性化により高尿酸となる時を具体的な場面でみれば、以下の7つの場合がある:

(1)脂肪が付き過ぎたとき
(2)激しい運動をしたとき
(3)食事を摂取したとき(毎食)
(4)アルコールを分解するとき
(5)脂質タンパク質をエネルギー源として分解するとき

(6)明け方(毎日定期的に)
(7)過剰なストレスを感じたとき

 

 上記(1)~(5)は新陳代謝が活性化する場合であり、(6)及び(7)は新陳代謝の活性化が見込まれる場合である。

分かりにくい点を補足してみると、(1)は、脂肪過多になると脂肪組織によって全身で慢性炎症が引き起こされるという経過となる(多分ヒトの飢餓対策機構の一環で、飢餓時に新陳代謝を先送りした分の遅れを飽食時に取り戻し、更に次の飢餓に備えて新陳代謝を前倒ししているものと推測。脂肪過多かどうかはその人の体質に依存)。
(3)は、食物が通過することによる消化系臓器の新陳代謝の亢進と、消化の際に組織障害性の高い生化学反応もあることの両方によるのだろう(普段は消化が一段落すると元の尿酸水準に復帰。食事前後の変動幅は0.5~1.0くらいか)。
(4)及び(5)は、分解経路に組織障害性の高い生化学反応もあることによる。
(6)は、バイオリズム(概日リズム)による周期的な動きであり、明け方高値夕方低値を示すことによる(活発な日中活動のための準備の一環であり、体内時計に従い起床前にコルチゾール(抗ストレス・ホルモン)が多くなるなどに伴うもの。明け方夕方間の変動幅は0.5~1.0くらい)。
(7)については、ヒトのストレスの原型が大型動物に襲われそうで生命の危険が生じたこと、その応答の原型が活発な運動(闘うか逃げるか)の準備することであるようで、これらを反映したことによるのだろう(抗ストレス・ホルモンが多くなり尿酸値も上昇)。

 

(3)及び(6)の高尿酸の場合は多くは一時的なものなのでり、尿酸値を高止まりさせずに元の低い水準に戻すため、水分を十分に摂取する必要があるだろう。

 

以上をまとめると、高尿酸によって不都合が生じている人は、水分を十分に摂取しつつ、
脂肪、激しい運動、アルコール、ストレス、過剰な脂質・タンパク質
を管理することが重要である。このことが、痛風などが生活習慣病と言われる所以でもある。

 

ついでに言えば、西洋薬により高尿酸環境を強制的に解消する方法よりは、
尿酸代替物(ビタミンC、アンセリン、ポリフェノールなどの抗酸化物質)を補充して高尿酸環境をなくす方が、尿酸の働きを何が代替するのか明快であり、より望ましい。