〔投稿日:2020-6-27〕
前回記事で述べた健康法がなぜ効くのかをQ&A風にまとめると、次のような感じとなるだろう。
Q 体内での尿酸の役割は何ですか?
A 従来、不要な老廃物とみて痛風を引き起こすことなどの理由から悪いイメージを持たれることが多かったが、尿酸はビタミンCより強力な抗酸化物質であり、最近は良い面があるとする報告も増えている。
尿酸を善いイメージで整理すると、例えば次のような議論を展開できる(尿酸長寿誘導説):
尿酸値レベルが高い動物ほど長寿であるという報告がある(図参照)。
図 (次のサイトの記事「なぜ,ヒトは病気になるのか?-2」、
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/evolutionary_medicine/vol2n1.html の図4から)
これを素直に解釈すると、ヒトにおける尿酸の主な役割は
生体の組織を長持ちさせること(早期老化の防止)
とみることができる。尿酸は抗酸化物質の一つであり、抗酸化物質はだいたいそんな機能を持つことが多いだろう。
ヒトにおいて、酸化損傷を防止して組織を長持ちさせるために高尿酸環境を準備する必要がある場合は、それほど多くなくて限られている:
(1)新陳代謝が活性化する時(すなわち脂肪が増えたとき、激しい運動をしたとき)
(2)アルコールを分解するとき
(3)過剰なストレスを感じるとき
(4)脂質・タンパク質をエネルギー源として利用するとき
従って、高尿酸によって不都合が生じている人は、
脂肪、激しい運動、アルコール、ストレス、過剰な脂質・タンパク質
を管理することが重要である。このことが、痛風などが生活習慣病と言われる所以でもある。
ついでに言えば、西洋薬により高尿酸環境を強制的に解消する方法よりは、尿酸代替物(ビタミンC、アンセリン、ポリフェノールなどの抗酸化物質)を補充して高尿酸環境をなくす方が、尿酸の働きを何が代替するのか明快であり、より望ましい。