ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

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BMI と尿酸濃度 (7) 尿酸サンキューず論

2015年02月07日 | タイ語以外(健康2019-21、尿酸)

〔投稿日:2021-3-14〕

 

 いろいろ話をこねくり回してきたけど、現状、高尿酸だけど低下薬を飲みたくない派を支援する考えをまとめておこう。

 

尿酸サンキューず(3Qs)論

Q1:尿酸はヒトの体内で主にどんな役割?
A:主な役割は痛風関節炎を引き起こすことでなく、早期老化の防止なのだろう。
 尿酸は体内で産生可能な強力な抗酸化物質であり、血清尿酸値は酸化ストレスが亢進し過ぎないようバッファーとしてダイナミックに調節され、もって早期老化を防いでいるとみられる(抗酸化での尿酸バッファー説)。
 例えば具体的には、尿酸には中枢神経系の神経細胞を保護する作用があることが平成の間にほぼ定説化しているとみられる。

 

Q2:高尿酸になるのはどんな時?
A:新陳代謝が活性化するとき、あるいは活性化しそうなときに抗酸化物質が多い方が好都合であり、主に以下の7つの場合がある(6及び7は新陳代謝が活性化しそうなときに関連):

(1)脂肪が付き過ぎたとき
  (この上昇はBMI上昇によく相関、BMI3増で尿酸値1.1増が目安。脚注1)
(2)激しい運動をしたとき(例:筋トレなど)
(3)食事を摂取したとき(毎食。一時的なこと多く、変動幅0.5~1.0くらい。脚注2)
(4)アルコールを摂取し過ぎたとき
(5)体のエネルギー源として脂質・タンパク質を利用し過ぎたとき
  (例:絶食・無理なダイエット時など。脚注3)
(6)明け方(毎日定期的に、夕方には低値へ。変動幅0.5~1.0くらい)
(7)過剰なストレスを感じたとき

(3)及び(6)に関しては、尿酸値を高止まりさせずに低い水準に戻すため、水分を十分に摂取する必要がある(2、4などが関係するときも同様。また、脚注4)。

よって、高尿酸によって不都合が生じている人は、水分を十分に摂取しつつ

   体脂肪(肥満)、激しい運動、アルコール摂取、ストレス

の度合いを(糖質食の人は栄養バランスも)管理することが重要であり、 この点が痛風などが生活習慣病と言われる所以でもある。

 

Q3:高尿酸にはどんな対処法?
A:体内での尿酸の出番を減らす必要があり、
 Q2のAからは、可能な範囲で高尿酸の発生要因を減らせば、あるいは、
 Q1のAからは、健康に役立つとされる抗酸化作用がある物を適度に摂取すれば(尿酸代替物(脚注5)と期待しつつバッファー需要を減らすため)、
よいと言えるだろう。

 

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注1) 糖質食の人のBMI増減の場合。 糖質制限食による減量(同食への移行期に起き易い)では、上記要因(5)の効果も大きいので尿酸値が変わらず、あるいは逆に上昇することもある。
また、この対比との関連で言えば、糖質食の栄養理論の下で半世紀以上「食べ過ぎ・運動不足」が脂肪増加の原因とされてきたが、 最近では「糖質の摂取し過ぎ(・食べ過ぎ)」が原因とも言われている。

注2) 糖質食の場合。

注3) 即ち(体質を考えずに)糖質の摂取を少なくし過ぎたときであり、糖質食の人では問題となり易い。 他方、糖質制限食の人に関しては、これを推進している著名な医師は
「糖質制限開始後の尿酸値上昇については、3-12ヶ月程度で基準値に戻る場合が多い」
としているので、その人に合っている厳しめの糖質制限を中長期的に実施した場合には、 何らかの適応化による尿酸値低下のため、この高尿酸の発生要因(5)は効かなくなるのかもしれない。 しかしながら、現状、何%の人が向いていて、どの程度の制限の厳しさが必要かについて詳しくは分かっていない模様。

注4) 上記要因(3)に関しては、普段の食事よりプリン体を多く摂取することは上昇のピークを高めそうなので、痛風発作中の人、その常連者は注意した方がよい(高尿酸にするため吸収したプリン体を即座に利用する経路があるため。 また、この点からもプリン体の摂取制限は普段の尿酸値を低くすることとほとんど関係がないとうかがえる)。 

注5)
「尿酸代替物」とは、体内で抗酸化作用を引き起こす物質で、継続的にあると血清尿酸値を低下させるものをいう(代表例は女性ホルモン、ビタミンC、アンセリンなど)。

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