ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

2023年8月にテーマ・タイトルを変更(旧は外国語関連)
2015年4月にテーマ・タイトルを変更(旧は健康関連)

はじめに・・・

 外国語テーマも長く続かずなので、従来の健康ブログに戻してみようかと思いまして・・・ 備忘録的に残しておくと旧タイトルは「タイ語、漢字を使って覚えるの?」でした。(2023.8月記)

 従来の健康ブログ時に記事を書いていて、何故か、そろそろ外国語でも勉強した方がより良いかなーと思いつきまして、以来ちょこちょこと続けてきましたが、なんとなく、ある事を覚えると別の事を忘れてしまうモードに入ってしまったようで、知識量が停滞しつつあるような感じになりました。

 そこで、本ブログを外国語学習ブログに変更して、自分の備忘録的にまとめておこうかなと思いまして・・・。

 しかしながら、少し飽きたのか内容を増やしすぎたのか、書くのに手間がかかるようになり、時間がとれない時は、別ブログ「単語帳の素材?」にてライトな記事を書くことにしました。(この別ブログも徐々にライトでなくなり、記事を500本ほど書いたところで滞り中・・・)

 なお、健康ブログ時代の記事は、コチラの 入り口 からどうぞ。(2015.4月記)
 最近の健康系記事はカテゴリー「タイ語以外(健康2019)」からどうぞ。

「コルチゾール過剰症候群」 (7-U) 水痘・帯状疱疹ウイルス感染症 (2)

2012年11月12日 |  症例(その他)

 このシリーズの年内は終結は断念したけど、久しぶりにこちらを。

(7) 易感染性

(U) 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)感染症(ヒト・ヘルペスウイルス3型(HHV-3)感染症) (つづき)

 先ずは少し脱線して、最近みかけた噂話から。

 チェルノブイリ事故後の我が国においても、子供などの感受性の高い人々の一部は単純ヘルペスウイルス(HSV-1、HSV-2)や水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の感染で悩んでいた可能性があるのだろう。某掲示板の放射能板から、

680 名前:名無しに影響はない(関東・甲信越) 投稿日:2012/11/05(月) 02:45:53.40 ID:nxq5/YtU
  チェルノの後、1989年前後で慢性疲労症候群に罹患したよ。快復に2年掛かった。
  原因不明で治療法なし。安静にしてるしかない。体はダルいし、物が覚えられ
  ない。頭の中に消しゴムがあるかのように言葉が消えていく。思考が停まる
  から本も読めない。学生の頃だったから何とかなったがね。

740 名前:名無しに影響はない(奈良県) [] 投稿日:2012/11/06(火) 13:33:21.23 ID:s6wqbeYt
  >>680
  翌年の1990年なら口唇ヘルペスが治っては出来、治っては出来て
  人前に出たくなくてインドア派になった時期だな
  唇からアゴにかけて広範囲で出来て子供ながらにへこんだわ
  1992年には中学生なのに帯状疱疹にかかって
  病院の先生に「運動して体力つけろ」と笑われたw
  インドア派になって運動量が減った自覚はあったけど、まさか・・・・
  ちなみに当時は札幌住まい

742 名前:名無しに影響はない(福岡県) 投稿日:2012/11/06(火) 14:49:30.34 ID:Jq4uQgE7
  >>740
  口唇ヘルペスきついよな 子供の頃よくできてたけど
  大人になってからは出来にくくなったし重症になることもなくなった
  それに薬もできたしな いい時代だよ

744 名前:名無しに影響はない(関東・甲信越) 投稿日:2012/11/06(火) 15:33:39.09 ID:IXB8lGPp
  >>740>>742
  免疫が落ちると症状が悪化するんだよね。エイズなんかが爆発的に拡がったのも、大体、その頃だ。

756 名前:名無しに影響はない(やわらか銀行) 投稿日:2012/11/06(火) 23:09:34.71 ID:zga/HBUe
  自分もチェルノの翌年頃、唇ヘルペスによくなってた
  当時子供で牛乳を麦茶代わりに1日1リットル以上飲んでいた
  偶然だと思いたい・・


 さて本題に戻ると、帯状疱疹(zoster、herpes zoster)については、前回の記事(ココ)の冒頭に幾つかリンクを貼ったので余り付け加えることはないのだけど、おさらいがてら内容を整理しておこう。

 帯状疱疹は、潜伏感染している水痘・帯状疱疹ウィルス(VZV)の回帰発症(再発)が原因であるとされている。慶應義塾大学病院のサイト「KOMPAS」から、

帯状疱疹 たいじょうほうしん
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000331.html

概要
 帯状疱疹は水ぼうそうのウィルスと同じ、水痘・帯状疱疹ウィルス(VZV)が再び活性化することにより起こります。通常は生涯に一度しかかからず、日本では6~7人に1人がかかるものと推定されています。・・・
 初めての感染で水ぼうそうを発症した後、VZVは知覚神経に沿って、顔面の三叉神経や、脊髄の神経、坐骨神経などの神経細胞に残ります。長い間は症状が無いまま過ぎますが、体の免疫能の低下をきっかけにして、潜伏していたVZVが活性化します。きっかけとしては、加齢、疲労、ストレス、悪性腫瘍、重症な感染症、放射線や紫外線への曝露、免疫抑制剤や抗がん剤を使用した場合などがあげられます。活性化したVZVは神経を伝わって皮膚へ出てきて、皮膚でウィルス粒子が増殖し、水疱を発生します。

症状
 帯状疱疹の症状には、皮膚と粘膜の症状と、神経痛があります。皮疹がでる前に、しばしば神経痛あるいは知覚の異常が、数日から1週間続きます。これは片側の神経分布領域に一致して起こります。その後同部に少し膨らんだ紅斑があらわれ、その中に小さな水疱がでます。発生する場所は、胸やお腹、背中など(肋間神経領域)が最も多く、ついで顔(三叉神経領域)に多いですが、全身のいずれの場所にも発症します。・・・(強調は引用者)


 一生涯での帯状疱疹の発症率は、上記引用では14~17%とされているけど、約2割とされることが多いと思われる。●の影響による易感染性の下では、生涯2度以上罹る人の割合も増加するのではなかろうか。

 帯状疱疹の発症のきっかけは、免疫力の低下(易感染性)によるわけだけど、上記引用の具体的誘因の中で、「放射線への暴露」にきちっと言及しているのは、良心的といえるのかもしれない。

 帯状疱疹が高齢者で起き易い要因については、VZVの特異的免疫は通常40~50年程度しか持続しないので、特に高齢者では免疫低下時に発症し易いとの説もあれば、周囲に水痘患者がいないと野生株に触れることによる免疫のブースター効果が得られないので、そのような人々には免疫低下時に発症し易いとの説もあるようだ。後者については、日本皮膚科学会のサイトから、

皮膚科Q&A 第5回 ヘルペス 
Q12 お年寄りに多いと伺いましたが、本当でしょうか?
http://www.dermatol.or.jp/qa/qa5/q12.html

A 帯状疱疹は免疫能力特にVZVに対する特異的免疫が低下すると発症する疾患で、誰でも罹患しうる疾患です。水痘 罹患や水痘ワクチンを接種してVZVの抗体を持ったものの約20%が罹患すると云われております。特に、細胞性免疫が低下するAIDS、白血病、悪性リン パ腫などの患者に罹患しやすく、老人も罹患しやすいといえます。90歳以上のヒトではその半分は罹患すると考えられています。しかし、統計的にみると20 歳代と50歳代にピークがみられ、これらの年代では周囲に水痘患者がいない年代で、VZVの免疫にブースターが罹らないためとされています。


 単純ヘルペスウイルス(HSV)と水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)とは、かなり似たようなウイルスで、いずれもヘルペスウイルス科アルファ・ヘルペスウイルス亜科に属しており、例えば、潜伏場所もいずれも知覚神経節の中と共通している。

 しかし、更に詳細にみればいろいろ相違点もある。例えば、回帰発症の頻度に大きな差がある。これについては、HSVは神経節内の神経細胞自体に、VZVは神経節内の神経細胞の周囲にあるサテライト細胞(衛生細胞)に潜伏するという違いがあるためとの説や、潜伏しているウイルス量がHSVの方が多いとの説があるようだ。エーザイ(製薬会社)のサイト「パリエット」から、

他科医に聞きたいちょっとしたこと ヘルペスウイルスについて
http://www.pariet.jp/helpful/vol54/no561/sp06.html

質問 水痘は、全身に発疹が出現しますが、単純疱疹は、口腔口唇および陰部に限られます。また、帯状疱疹は一般的に一生に一度ですが、単純疱疹は、何度も再発します。これら2つのウイルスの症状発現の違いは、いかなる理由によるものでしょうか、ご教示ください。(静岡県・内科)

回答
 ・・・HSVもVZVも同じヘルペスウイルス仲間であるが、上記のように初感染や再発の機構も異なっている。なぜ、HSVのほうが再発頻度が高いのかは不明であるが、潜伏部位が末梢にまで突起を出している神経細胞のなかにHSVは潜伏するので、外界の刺激を受けやすいためともいわれている2)。また、三叉神経節のウイルス量を検索したPevensteinらによると圧倒的にVZVよりはHSV-1が潜伏感染しているためHSVのほうが再発しやすいと推論されている3)。


 ついでに、神経節内の神経細胞とサテライト細胞との関係については、サイト「組織学総論・講義」の次の写真をみるとイメージが浮かぶのではないだろうか。

衛星(外套)細胞
http://www3.kmu.ac.jp/anat1/edu/histology/general/nerv/satellite.html


月曜日だし、この辺りで・・・

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