実家の母が電話を取ると、甥、つまり私の従兄弟のYちゃんだったという。
Yちゃんは私の父の会社を継いで、代表になっている。
どうしても明日までに200万用意しないといけなくなった、とYちゃんが言った。
その様子があまりにも必死で、打ちひしがれていたので、よほど困っているのだろうけれど
母一人ではお金をおろしに行けない。
そこに姉が帰ってきて、母が姉にお金をおろしてきてくれるように説明していたところに、また電話が来た。
母が出て、姉に代わった。
姉はYちゃんだと信じているので、Yちゃんの声にしか聞こえない。
それでも、母を頼る前に相談する人はいくらでもいるのだし、会社経営していて200万という半端な金額も
なんだか変だとは、頭のどこかで思っている。
きっとYちゃんが個人的にこさえてしまった借金なのではないか、とまで姉は考え、
母の代理では100万しか出せない、と言うと、あとはなんとかするからそれでいい、と言う。
姉はお金をおろして母に渡し、義兄とお昼を食べに出かけてしまった。
その間もずっと違和感はあって、お昼を食べている最中にポンとそれは弾けた。
「あれってほんとにYちゃんなの?」
食べかけのお昼をほっぽりだして、義兄とともに警察に電話しながら家に帰った。
会社に確認すると、ほんもののYちゃんがいて、まったくの詐欺だと判明。
家に戻ると、まだ母はお金を持っていて一安心。
「車の事故にあったので、代理の○○という人がお金を取りにいくっていうんだけど、
Yちゃんじゃなきゃお金を渡したくないねぇ」
と母が言っている。
そこに刑事も来て、母、姉夫婦ともに犯人の電話を待つ。
すんなりいくと思っていたのに、母がごねているので相手も何かを察したか、
「警察の人」が電話を代わった。
「警察の人」が、代理でお金を受け取るとかなんとか言っているようだ。
こっちにいる本物の刑事が、「これはニセの警察です、こういう手口なんです」とささやく。
姉はそうとうに混乱していて、この人もニセ警察じゃないか、などと思いはじめ(自分が呼んだのに)
いったい何が本当で何が嘘なのか、わからなくなってきた。
母がつい「こっちにも警察がいるよ」と言ってしまったので、本物の刑事が電話に出て、
ニセ警察と、本物の警察同士でやり取りしたすえ、すんでのところで犯人を逃してしまった。
が、お金は無事だった。
という顛末。
これが世に言うオレオレ詐欺か。
「私がいながら・・・」と姉はしばらく落ち込んでいた。
すぐに会社に確認すればよかったのに、誰にも言えない個人的な借金だったら、などと
余計な推理をしてしまったのがいけなかった。
人は、いったん思い込んでしまうと、それを軸にしてストーリーを作ってしまう。
そこが相手の思う壷。
それにしても、こんなふうにしてお金を騙し取って平気でいられる人がいるのだなァ。
人は誰でも、自分が与えたものを受け取るようにできている。
その人達が受け取るものは、いったいどんなおどろおどろしいものだろうか。
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Yちゃんは私の父の会社を継いで、代表になっている。
どうしても明日までに200万用意しないといけなくなった、とYちゃんが言った。
その様子があまりにも必死で、打ちひしがれていたので、よほど困っているのだろうけれど
母一人ではお金をおろしに行けない。
そこに姉が帰ってきて、母が姉にお金をおろしてきてくれるように説明していたところに、また電話が来た。
母が出て、姉に代わった。
姉はYちゃんだと信じているので、Yちゃんの声にしか聞こえない。
それでも、母を頼る前に相談する人はいくらでもいるのだし、会社経営していて200万という半端な金額も
なんだか変だとは、頭のどこかで思っている。
きっとYちゃんが個人的にこさえてしまった借金なのではないか、とまで姉は考え、
母の代理では100万しか出せない、と言うと、あとはなんとかするからそれでいい、と言う。
姉はお金をおろして母に渡し、義兄とお昼を食べに出かけてしまった。
その間もずっと違和感はあって、お昼を食べている最中にポンとそれは弾けた。
「あれってほんとにYちゃんなの?」
食べかけのお昼をほっぽりだして、義兄とともに警察に電話しながら家に帰った。
会社に確認すると、ほんもののYちゃんがいて、まったくの詐欺だと判明。
家に戻ると、まだ母はお金を持っていて一安心。
「車の事故にあったので、代理の○○という人がお金を取りにいくっていうんだけど、
Yちゃんじゃなきゃお金を渡したくないねぇ」
と母が言っている。
そこに刑事も来て、母、姉夫婦ともに犯人の電話を待つ。
すんなりいくと思っていたのに、母がごねているので相手も何かを察したか、
「警察の人」が電話を代わった。
「警察の人」が、代理でお金を受け取るとかなんとか言っているようだ。
こっちにいる本物の刑事が、「これはニセの警察です、こういう手口なんです」とささやく。
姉はそうとうに混乱していて、この人もニセ警察じゃないか、などと思いはじめ(自分が呼んだのに)
いったい何が本当で何が嘘なのか、わからなくなってきた。
母がつい「こっちにも警察がいるよ」と言ってしまったので、本物の刑事が電話に出て、
ニセ警察と、本物の警察同士でやり取りしたすえ、すんでのところで犯人を逃してしまった。
が、お金は無事だった。
という顛末。
これが世に言うオレオレ詐欺か。
「私がいながら・・・」と姉はしばらく落ち込んでいた。
すぐに会社に確認すればよかったのに、誰にも言えない個人的な借金だったら、などと
余計な推理をしてしまったのがいけなかった。
人は、いったん思い込んでしまうと、それを軸にしてストーリーを作ってしまう。
そこが相手の思う壷。
それにしても、こんなふうにしてお金を騙し取って平気でいられる人がいるのだなァ。
人は誰でも、自分が与えたものを受け取るようにできている。
その人達が受け取るものは、いったいどんなおどろおどろしいものだろうか。
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