太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

知らぬが花

2015-07-30 22:32:52 | 日記
同僚と運転免許の話をしていて、

私の免許証を見せようと財布をだしたら、あるはずの場所に免許証がない。

何日か前に出かけた際に、持って行くバッグが小さかったので、

現金と免許証を他のパースに移して、帰宅してからいつもの財布に戻したつもりだった。

免許証は移し替え忘れて、あのパースに入ったままに違いない。

ということは、私は何日か免許証不携帯で車を運転していたわけだ。

その日の帰りは、警察の車を見ると心臓がドキドキして、緊張しながら帰った。

知らなかった時には平気だったのに。



また別のある日、仕事中にふと、サプリメントのことが頭をよぎった。

朝、飲もうと思ったサプリメントを3錠、ランチバッグの中に入れた。

以前、カウンターの上に置いたサプリメントを、猫がかじろうとしていたことがあって

猫防止のつもりでランチバッグに入れたのだ。

その日はランチを持っていかない日で、バッグの蓋はしっかり閉めてはいない。

そしてそのまま仕事に出かけてしまった。


気になり出したら、妄想は広がってゆく。

ランチバッグに入れたコーンブレッドを、猫達が蓋を開けて食べていたことがあり、

サプリメントも匂いでつきとめ(どうもその匂いが気になるらしい)

蓋を開けて食べてしまってグッタリしているのでは、と思うと気が気でない。

見えない存在達にお願いはするのだけれど、結局、1時間繰り上げて

早退した。猫たちは無事で、サプリメントもあった。





母が、ある病気にかかっていることがわかった。


昼休みに、母に電話をした。

声はとても元気そうだった。

秋に帰国する予定だけど、その前に私だけ行こうかと言うと

「あんたにはあんたの生活があるし、私はまだ自分のことは自分でできるから来なくていい」と言う。

私が行ったところで何がどうなるわけでもない。

「離れているから余計に心配するんだね、ごめんね」

謝るのは母じゃない、私なのに。


母の病気は、思えば昨年から始まっていたのだろう。

両親とも高齢で、何があってもおかしくないんだけれど、

そう思っている一方で、何もあるはずがないとタカをくくっている。

今朝の今朝まで、そうやってタカをくくって甘えていた。

すぐにすぐ、母はどこにもいかない。

しかし、いつか母はどこかに行ってしまう。

そんなわかりきったことが、なぜいまさらこんなに悲しいのだろう。

今朝、胸が詰まりそうになって、私は同僚の一人だけに母のことを話した。

同僚は両手を広げ、黙って私を抱きしめた。

4年前、母がハワイを訪れたとき、帰りの飛行機に乗る直前に

私は母を抱きしめた。

「あの時、何か言ったら泣いちゃいそうで何も言えなかったわ」


日本に戻った母がそう言った。わたしも。

私は同僚の腕の中で、オンオンと泣いた。

夫と喧嘩して嘘泣きならしたけれど、本当に悲しくて泣いたのは母を抱きしめた時以来だった。




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