ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

義理の親の死を振り返る(3)

2009年03月13日 | 社会福祉士
 先日刊行したブログ本『福祉のアゴラ』にも、義理の母親の介護について書いてあるが、率直に、亡くなって義理の親の偉大さや妻と兄の絆の強さを感じた。これについて書くことで、母親の死についての振り返りの最後にしたい。
 
 義理の母親は年金生活を送っていたため、さほど財産を残して亡くなったわけではない。ただ、驚いたことは、昨日書いた、内孫の姪っ子と、外孫の息子の二人に対して、「結婚お祝い」のために相当多額のお金を別個に貯金してあったとのことである。義理の母親としては、この二人が結婚すれば、全ての孫が所帯をもつことになり、それが楽しみであったことは想像できるが、別個に貯金をされていたとは、たいしたものである。

 良く知っているひとり暮らしの高齢の女性が、いつ急病で入院するかもしれないため、入院の際にもっていく荷物を風呂敷に包んで、玄関のトランクに入れていることを聞いたことがある。その女性は、入院だけでなく、亡くなった時の処分については、当然遺書を弁護士に作ってもらっているという。このように万が一に備えて、準備されていたが、母親も同じ思いで準備していたのであろう。すごいものである。

 結婚を間近に控えた息子には、財産の整理と共に、母親からのお祝いを兄から頂いてきたが、有り難かったという気持ちだけでなく、もう少し元気でいて、結婚式に出たかったであろうという無念の思いと、最期には、息子が結婚することを知って亡くなってくれたことでのホッとする気持ちが入り交じり、複雑な心境になった。

 ただ、いずれの親も子どもや孫のことを常に思いながら、生きている。義理の母のように、それを形にまで残して、一生を終えることができたことの偉大さに敬服する。こうした人生を歩むためには、常に将来を予測し、予測したことに準備を整え、生きていくことが必要なように思っている。そんなことが、私にはできるであろうか、心配である。

 また、さほで財産があったわけではないが、その遺産相続にしても、兄と妻の二人がどちらもいらないといった気持ちでもって、きれいな相続の手続きをしていた。テレビや小説等では、相続での家族のいやらしさを見ているだけに、横から見ていて、両親を失い、兄弟の絆が一層強くなったような気がした。

 これは、親の介護については、兄弟で連携するため、介護で気になることをお互い連絡するため、ベットにノートを置いて、毎日書き込むことを行っていたが、そうした中でも、兄弟のお互いの信頼を作っていったような気がする。これが、遺産分けにも反映しているように思えた。

 いずれにしても、親の死は大きく、そのことが多くの人々の生き方に影響をすごく与えることになることを知った。このような良い影響を与える死であった母親は、偉大であった。