ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

社会福祉士の職域拡大と待遇改善への意見(2)

2008年11月15日 | 社会福祉士
 ②職能団体や養成団体の現状と課題
 社会福祉士やソーシャルワーカー養成団体である(社)日本社会福祉士養成校協会や(社)日本社会福祉教育学校連盟は社会福祉士やソーシャルワーカーの権限委任を得るために何をしてきたのかと問われれば、反省すること大である。また、職能団体である(社)日本社会福祉士養成校協会は、継続教育機能が中心であり、社会福祉士が国や自治体、国民、利用者から承認を得て、さらに結果として職域拡大や待遇改善に結び付けることをしてきたであろうか。

 確かに今回の「社会福祉士および介護福祉士法」改正では、法改正の推進や付帯決議のためのソーシャルアクションの実施を職能団体・養成団体が実施したことは評価できるが、具体的に、社会福祉士が社会的承認を得ていくための行動は不十分であったことを反省し、新たな一歩を踏み出す必要がある。

 具体的には、職能・養成団体は、自らが社会福祉士に社会的承認を与えていくことと、他の行政や雇用団体、国民、利用者から社会的承認を得るために、働きかけていく必要がある。

 ③雇用者団体や施設団体への働きかけ
 (社)社会福祉施設経営者協議会、(社)老人福祉施設協議会を始め領域別での協議会、老人保健施設協議会は自らのみでは社会福祉士の待遇改善のために動くのには限界がある。そのため、職能団体や養成団体が承認を得られるよう、雇用者団体や施設団体に働きかけていくことが不可欠である。例えば、どのような社会福祉士機能を強化すれば、利用者支援や施設マネジメントに役立つかといったことを、定期的に議論し、教育・研修することで、雇用先での承認を得ていくことが道筋であろう。

 ④利用者や国民からの承認
 国民から社会福祉士の権限委任の承認を得ていくためには、社会福祉士に関する啓発活動が不可欠である。これには、職能団体と養成団体がスクラムを組んで実施していく必要がある。さらには、支援をしてきた利用者から社会福祉士が高い評価を得ることで、社会的承認を得る必要がある。この利用者には、個人だけではなく、家族、地域の団体、地域住民全体である。ここでは、社会福祉士の実力が試されることになる。そのため、大学教育や継続教育の必要性や職場環境の整備が不可欠なってくる。

 結論として、職域拡大や待遇改善に向けて、私が会長をしている(社)日本社会福祉士養成校協会が実施しなければならない仕事が多数あることが分かり、その解決に向けて邁進しなければならない。但し、(社)日本社会福祉士養成校協会は大学や一般養成施設の集合体であるため、個々の会員校の教員がそのような意識を持って、それぞれに働きかけてくれることが基本であるように考える。

 もう一つの結論は、権限を多方面から社会福祉士に委任されるためには、図では、赤で囲ってある、「価値」「知識」「方法・技能」「目的」を有した優秀な人材を確保していくことが基本であることである。このことは、教育と継続教育を推進し、優秀な人材を養成していくことが、すべての基本であるといえる。