ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

朝日新聞の広告欄「実践的な福祉の専門家を育成」でのコメントの続き

2008年11月07日 | 社会福祉士
 10月31日の朝日新聞全国版で、日本福祉大学、東北福祉大学、淑徳大学、金城大学の4大学が大学プロジェクトの広告欄で、「実践的な福祉の専門家を育成」というタイトルで一面広告を出した。そこに、朝日新聞の広告担当者から、社会福祉士に対する期待感を話して欲しいと言われ、電話でコメントをした。

 その内容が、この広告欄に出ているので、社会福祉士やソーシャルワークをどのように認識し、どのように方向付けていくかの私の気持ちが表れている気がしたので、以下に再掲しておきたい。
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『実践的な福祉の専門家を育成』
●高まる社会福祉士への期待
 社会福祉士(ソーシャルワーカー)とは、国家資格で認められた福祉の専門家で、生活上の問題をもっている人々に対して生活の質を高めるための支援を行っている。これまでは、高齢者・障害者・児童向けの施設を中心に活動していたが、近年ではニーズの多様化・高度化が進み、学校や、病院、市町村など、多様な職場で社会福祉士が持つ知識や技術が求められている。
日本社会福祉士養成校協会の白澤政和さんは、その背景をこう語る。

「医療ソーシャルワークや、不登校・虐待といった子どもの課題に対応するスクールソーシャルワークなど、社会福祉士のニーズは日ごとに高まっています。働く場も増えており、行政にも社会福祉士が数多く配置されるようになってきました。今後は、一般企業のメンタルヘルスなどにも、活躍の場が広がると予測されます」

●実践的な人材育成が進む
社会からのニーズの高まりを受けて、社会福祉士には、これまで以上に生活を支えるための高い実践力が必要となる。昨年行われた社会福祉士の制度改正では、実践力を高める教育内容が義務づけられており、各福祉系大学では、少人数でのきめ細やかで、充実した実習・演習体制が整えられた。

「法改正や教育機関の取り組みによって、胸を張れる教育基盤が整ったといえます。誰もが快適に暮らせる社会にしていくために、各福祉系大学の特性を生かした教育のもと、社会に貢献しようという気概をもった人材を育みたいですね」

 白澤さんの言葉は、社会福祉士の教育体制への手応えを感じさせる。これからの日本を支えるうえで欠かせない福祉の専門家を―これから社会へと羽ばたいていく若き社会福祉士に、大きな期待を感じずにはいられない。』

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 こうした期待を推し進めていくためには、大きくは、ソーシャルワーカーのレベルを高めることと、それぞれの職域でソーシャルワーカーが入ってくることを承認してくれることが必要である。この社会的承認(social sanction)は、国から得たり、職能団体や養成団体から得たり、雇用する団体や機関から得たり、国民から得ることになり、その結果として職域が拡大していくといえる。

 養成団体である(社)日本社会福祉士養成校協会の会長としての個人的意見としては、養成教育の充実に加えて、ソーシャルワーカーである社会福祉士の社会的承認を得ていくために、多くの仕掛けをしていくことが喫急の役割であると考えている。後者の仕事は今まで経験がほとんどないことであるが、今回の「ソーシャルワーク」教育課程の原案も、雇用する学校側から承認(sanction)を得ていくものになっていってほしいと構想しているものである。そして、学校で活躍する社会福祉士の養成を目指すことを目的にしている。

 ただ、これは一例であり、新たに他の領域での職域開拓や、既存の領域での社会的承認を強化するために、前進あるのみという思いがある。