陶子の心の窓

今日わたしの心の窓は開いていたかな?あなたはいかがでしたか?

知らなかった!直木賞作家・木内昇(きうち・のぼり)さん

2017-08-02 05:41:04 | 
先日、文庫本を5冊まとめ買いしました。その後けっこういいペースで読み進めております。
先日2冊目を読了。『みちくさ道中』というエッセイです。
本の帯に
直木賞作家の新たな一面を知る初エッセイ集。とあります。
本屋で見つけたときは「へー、直木賞作家。木内昇さんってどんな人?」という、世間知らずな私。
帯にはさらに、「時代小説界を牽引する」と小さな文字もありました。
「時代小説は気分じゃないし・・。」といったんはその場を通り過ぎたものの、なぜか気になり、「エッセイだもんね」と読んでみることにしました。
タイトルも『みちくさ道中』というのがいい。旅好きな私はみちくさに憧れてしまうのです。

"まっすぐ働く"、"ひっそり暮らす"というカテゴリーで、木内さんがどんな人かがだんだんわかってきます。
私なんぞはじめのうち、木内さんは名前の雰囲気で男性かしら?と思っていたんですが、文章がどことなくまるく、まずは性別判断をするべく読み進んでいったのです。
途中で、女性なのでは・・?と思う割合が多くなってきたので、インターネットで確認してみたところ、やはり女性でした。
女の子らしい遊びをした、とかおしゃれが好き、という表現は皆無といってもよく、物心がついた幼いころから果てしない想像力と激しい好奇心とあくなき読書欲、本に対する愛情がつづられています。
文章の雰囲気・テンポも私にはちょうどよく、惹き込まれました。

面白かったです。

時代小説はかなり昔、宇江佐真理さんの作品を読んで以来手に取ることもありませんでしたが、木内さんの作品を読んでみたくなりました。
木内さんは、ご自身がスーパーでトマトを購入するときパッケージに貼ってある写真を見て、穏やかそうな顔の人のトマトを選んでいたそうです。
ところが、あるときはたと気づきます。
穏やかそうな顔の人が必ずしもいい仕事をするとは限らない、農業を営んでいる人=穏やかそうな人、というのはあまりにも短絡的ではないか。
仮に気難しそうな顔をしている人であってもおそろしく旨いトマトを作っていればそれこそスペシャリストというもの。
そしてこう続けていました。
これを本の世界に置き換えてみると、本を買う人が書店で本の帯など著者の顔を見てどの本を買うか判断するのはぞっとする・・と。

木内昇様。私はこれと真逆の方法であなたに出会いました。


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