陶子の心の窓

今日わたしの心の窓は開いていたかな?あなたはいかがでしたか?

映画館はほぼ貸し切り

2021-09-19 14:26:40 | 映画

こんな世の中になって初めて映画館に行きました。
私の知る限り、映画館でクラスターは発生していないけれど、何となく行く気にならなかったんですよね。
でもこんな状態ではあっても、世の中は少しずつ動いているし、私の中でもだんだん外に向かって気持ちが動いているんだなぁと実感です。

映画館は札幌駅からすぐのJRタワー7Fにある札幌シネマフロンティア。JRで行くなら東側の改札を出ると近いです。

今回見た映画は「テーラー人生の仕立て屋」。

ギリシャ・ドイツ・ベルギー合作で、しばらくヨーロッパを訪れていない私にとっては、それだけでも旅行に行くかのような高揚感を覚えます。

現代のギリシャと言えば、2010年の経済危機が思い浮かびますが、映画でもところどころに不景気を思わせる台詞が出てきます。でも、作品全体が明るい。年中太陽の光を浴びているかのような地中海の雰囲気と、そこに住む人たちの陽気さやたくましさの方が前面に出ている感じがします。

今はユニクロをはじめとして、安くていい服がたくさん出回っているし、全体にカジュアル志向になっているから、スーツを仕立てるという概念はかなりかけ離れたものですよね。
映画の中でも、街の人たちにとにかく「安くして」「早く作って」だし、良い生地について語っても「もっと安い生地は?」なんて返ってきます^^;

採寸して、その人の体型に合った型紙を起こし、縫製していく過程を考えると、安くは作れませんし、ぴったり合うように何度も仮縫いすることもありますから、とても時間がかかります。そして技術も要る。
でも、そのこまごましたところ、昔は楽しみでもあったんでしょうけど、今は違います。
こういうミスマッチ、職人さんは切ないですね。
そこになんとか折り合いをつけながら、少しずつお仕事が軌道に乗っていくのを見ているのもワクワクします。

それからもうひとつ気になってしまうストーリー、大人の恋、です。
ひとことで言ってしまえば「不倫」になってしまうんですが。
最初は仲のいいお隣さん。それからだんだん心の距離が近くなっていき…。
お隣さんの娘がいいですね。お父さんより主人公ニコスに心を開いていたはずが、お母さんがニコスと深い仲になると、子供ながらに「豹変」するんです。その描き方が女性ならではの視点なのかしらと思いました。

この映画の監督は、ソニア・リザ・ケンターマン。写真中央の方です。

なかなか美人でチャーミングな女性ですね。

映画に使われている音楽も地中海音楽のような、ちょっとエキゾチックなものもあり、サントラ盤があったら絶対欲しい!と思うものばかりでした。

おうち時間も悪くないけど、さすがに気分転換したい!という方には、「テーラー人生の仕立て屋」。
おすすめの映画です。

ちなみに、映画館はガラガラ。私を含め、お客さんは3組でした。


ファースト・マン

2019-02-11 01:55:13 | 映画
最近、目の前の予定をこなすことに振り回されている感じです。
せめて半年先でも何かワクワクする予定でもたてられたらいいのだけど、それもままならず。

こういうときは、映画を観に行くのがいちばん☆
頭の中だけでも、ひとときのトリップ&タイムスリップ。

街が騒がしくなる前にと、朝いちばんで観たのは「ファースト・マン」。


何の前評判も知らず、映画館のポスターを見てから「ああ、初めて月に行った人のお話だ」と思った次第。
私の映画の見方って、ホント行き当たりばったり。
映画の冒頭、「おや☆」と思ったのは、字幕監督が毛利衛さんだったこと。
字幕監督がいるって珍しいですよね。

つい数日前に公開になったばかりなので、観たいと思っている方は、この先スルーしていただくことをおススメしますが、
いわゆるサクセスストーリー的な展開に終始しておらず、家族、特に奥様の感情も繊細に描かれています。
タイトルはファースト・マンですが、The first man's wife というとらえ方もできる感じです。
月面着陸に成功するまでの壮絶な試行錯誤もありますし、やはりカメラワークが見事です。絶対に映画館で観るべきですね。

ラストシーンは、ドライな感じの中にもわびさび感があり、日本人の感覚にも合うように思いました。


シンプルプラン

2018-12-23 06:10:38 | 映画
BS12で映画「シンプルプラン」を見ました。
大晦日に偶然林の中に入って行ったところ、墜落した小型飛行機を発見、その中には操縦者の死体と大きなバッグ。バッグの中には440万ドルの札束が入っていました・・。
発見者は男性3名。いろいろもめたあげく、このお金は持ち帰り、誰も探していない、犯罪がらみのお金ではないということがわかったら3人で分けよう。そしたらお金を持ってすぐに町を出よう。と約束しておのおの家に帰ります。
でも、440万ドルといえば大金。そのお金をめぐって、どんどん不幸な事件が起きる・・というお話。

大金を前に人はどういう反応示し、その後どう変わっていくのかというのは想像するとおりでしたが、保身のためのウソや「仲間」を試す企て、口封じのための殺人などなど、見ていてイヤになりました。こうなると、「おばけより生きてる人間の方がコワイんだよ!」ということです。

あるいは、「わーい!欲しいものなんでも買っちゃおう!!」なんて、3人でどんどん使っちゃったらあんなに人を殺すこともなかったのに。
そしたらコメディー映画だね。

最後に「無実」になった主人公は手元に残った大量の札束を暖炉にくべてしまいます。
良心の呵責ではなく、やはり保身のためですね。
440万ドルは誘拐の身代金でした。
警察では、すべての紙幣は印無し、通し番号なしで用意するように犯人から言われていたところ、5000枚だけ番号を控えておいた。犯人が使うのを待つだけだったのです。
高額紙幣を使うことも印象に残りやすい。実際、海外では高額紙幣を受け付けてもらえないこともよくある話です。

現金は匿名性があるので犯罪に使われやすい、キャッシュレス化が進めば犯罪組織に流れるお金をとめることができる、という考えもあります。
お金に対する価値観が変わらない限り、どうにでも抜け道を考えるのではないかとも思いますが。

酒は飲んでも飲まれるな、ではないけれど、お金も使っても振り回されたくはないな。
と、ごく当たり前の感想に落ち着きました。

ああ、当たり前がいとおしい☆

万引き家族

2018-12-13 16:45:28 | 映画
先日、映画「万引き家族」を観ました。
かなり前から上映されていますので、ご存知の方も多いでしょう。
ぶしつけですが、ネタばれ云々かまわず思うままに書いていきます。

見終わって一言でこの映画を表現するなら、パンドラの箱を開けちゃったみたい、と言う感じ。
人間のずるいところ、弱いところ、哀しいところとか、世間の"一般常識"がいかに当事者にとっては不幸な境遇に身を置かなければならない結果になっているか・・などなど、万引き家族の一人一人を通して次々と描かれていきます。

人生、ちょっとでもわき道にそれちゃったら罪を犯しながら生きていくしか方法はないのだろうか…。
そんなことはないと思うし、現実にはそうでない人の方が大勢でしょう。
映画だからデフォルメしている。だから見ていられる。

ふと思う。こういう世の中の悲しい出来事を描いた映画やドラマっていつの時代もあるんだ、と。
この映画を観ていてちょっと「火垂るの墓」を思ったりもしました。「火垂るの墓」は戦争中のお話だから、戦争でみんなギリギリ大変だったんだなぁと。戦争の時代ではなく、平和な世の中でみんなが衣食住に満たされていたら、あの兄妹はあんなつらい思いをすることはなかったんだと思いました。
だけど、「万引き家族」は今、現在のお話だよ!
基本なにも変わっていない。

世の中のことがまだよくわからない、親を頼るしかない子どもが、人生の道のりで不意打ちをくらっちゃうということがいつの時代もあるの?!
そのことに衝撃を受けます。

今は平和で街も各家庭も衛生的、食べ物も豊富にある。戦争時代の比ではない。
満たされている時代のはずなのに、心が満たされない大人が多い。
心が満たされない大人は、子ども時代何かに飢えていたのでしょう。それもやるせないことです。

映画の最後の方では、ゆりと祥太に少~し希望の光が差す場面がありますね。パンドラの箱の片隅に残ったのが希望だったみたいに。
不幸な親を乗り越えなくては。不幸な子ども時代からそのまま大人になるんじゃなく、ね。
そう考えると、愛にあふれる人は安藤サクラ演じる信代さんだなぁ。。

ぎゅっと抱きしめることです。新しい服じゃない。

新しい服を買ってあげることがわが子に対する愛情表現と思っている(刷り込まれているように私には見えた)ゆりの母親がとても哀しかったな。
「新しい服」をほかのものに置き換えると、あながち他人事でもないんじゃない・・なんて思う。


普通ってなに?

2017-12-02 06:49:07 | 映画
今年春に見た映画「はじまりへの旅」。
物質主義に異を唱える父親とその子供たちの〝普通〟との葛藤をコメディータッチで描いています。
私もわりと今の世の中に「これでいいの?」というプチ疑問を抱えながら生きておりますので、父親の気持ちはよくわかるのです。
ただし、時代の流れには乗っていたほうがよい、ということも感じています。
要はバランスということでしょうか。

まずはこの映画に没頭して、再び現実に戻るとき「いまの世の中は各々がどこでバランスをとるかの自由はあるよね」と思うのです。
自分ならどんなふうにバランスをとろうか、どう時代の流れと向き合おうか、と考えることが「はじまりへの旅」になるのかな、と思うのです。



今年もあとひと月か~。
この間に映画見に行けるかなぁ。。

このいや~な感じ、助けてダイアナさん!

2017-09-16 07:17:58 | 映画
また北朝鮮ミサイル。最初の時のように不安になったり、何事も起こるはずないと思う気持ちが交錯してほんとにいや~な感じでした。
こんな不安定な状態の繰り返しで、不安に耐え切れず「国民を守らなくては!」の号令のもと戦いに打って出る方法をとるのでしょうか。
そんなことになったら、ミサイルがほんとに落ちてくる。
世界のリーダーさんたち、どうか冷静な判断をお願いします。

金正恩には軍神アレスが取り付いているに違いありません。
アレスはアレースとかアレウスともいわれる、ギリシャ神話に出てくる軍神。神が地球という楽園を作り人間も作ったけれど、人間と来たら欲望の塊ですぐに傷つけあったり殺しあったりする。もうこんな奴らは知らない、人間は自ら滅ぶがよいのだ。とアレスは人間にいろいろな知恵やひらめきを与え、それを戦争する方向に使わせようとするのです。

映画「ワンダーウーマン」。今はまさにこの状況ではないでしょうか。



この映画に出てくる、デビッド・シューリスさん演じるパトリック卿はアレスの化身。戦況が苦しいドイツ軍に恐ろしい毒ガスを発明させ、実験を成功させます。司令部では「もうドイツは勝てない。休戦協定を結ぼう」という意見が大多数の中、「この毒ガスさえあれば、勝てる」と味方さえも反対する者は毒ガスをまき散らして閉じ込めてしまう。これはもう人間のすることではない!軍神アレスの仕業です。

この映画のヒロイン、ダイアナは女性ばかりの島で生まれ育った強い女性。

難攻不落の戦場を突破して最後の毒ガス投下をなんとか食い止めようとドイツ軍を蹴散らし、最高司令官のルーデンドルフにとどめを刺します。
これですべてがハッピーエンド?そうではなかった。
もう作戦が実行されているから、ルーデンドルフがいなくても毒ガスは飛行機に積まれ目的地に飛び立とうとしている。
こんなに戦っても戦っても、またどこかで悲劇が起きる。人間は私の手には負えない・・とダイアナは諦めてしまいそうになるのですが、人間はいいところと悪いところが混在している存在だから、私はやっぱりいいところを信じて助けるわ!とアレスとの壮絶な戦いを繰り広げるのです。
その一方で毒ガス投下を阻止するため、命を賭して飛行機に乗り込むスティーブ。彼のおかげで多くの人命が救われたのでした。

この映画の時代設定は第一次世界大戦と思いますが、あれから100年たってもまだ同じことを繰り返している人間。
神アレスは万能だから、どんな風にも姿かたちを変えて戦争をするように人間に仕掛けてくるのです。
やすやすとその手に乗ってはダメです。ご用心。

ジャッキー

2017-04-01 06:16:16 | 映画
妹に映画館の割引券をもらっていて、その期限が3月31日。
見たい映画と都合の良い時間帯がうまく合わなくてズルズル・・。
このまま流してしまうのか~とあきらめかけていましたが、貧乏性な私、ギリギリ最終日に
「見に行ってしまおう!」と勢いで見に行ったのが「ジャッキー」でした。
ちょうど初日。

これでもかというくらい、ナタリー・ポートマンがスクリーンに現れます。
主役ですから、そうなるでしょうけど、正面から、横顔、語るシーンが多いせいか、ほんとに多いなと感じます。
これは、監督パブロ・ララインがナタリー・ポートマンびいきだったわけではなくて、ジャクリーン・ケネディという女性を余すところなく描き切るためでしょう。
感情の揺れ、そして聡明さと繊細さゆえの葛藤が見ていて痛ましいほどです。

夫、ケネディ大統領が暗殺されたのは、まだ彼女が34歳でした。
34歳といえば、まだまだ自分の感情をコントロールするのが難しい年頃です。そりゃ大人ですから、何とか平静さを装うことができても本音がこぼれてしまうんですね。
それが見ていて痛々しく思えて仕方がありませんでした。

彼女は大統領としての夫に華を添える式典をやり遂げて、その後はどんな人生を送ったのでしょうか。
心の中はどんなにもがき苦しんでいても、潔さ・凛としたたたずまいを崩さない、そういう人に心打たれます。

ボヤージュ・オブ・タイム

2017-03-29 06:31:19 | 映画
今年も早いもので、三か月が過ぎようとしています。
今年に入ってまだ映画を観に行っていませんでした。
しかも、映画館の招待券は今月末まで。こうなったら、何を見るかではなく、映画を観ることに意義がある!

ということで、退社してから時間をおかずに見られるというあまりにも単純な選択で

「ボヤージュ・オブ・タイム」に行くことに決定!
以下、映画の感想・忘備録です。



母=自然に呼びかける・問いかけるナレーションがたまに出てくるだけ。
宇宙・火山・海底の出来事・小さな生き物の生態、人間の営みなどなどが時空を超えてただただ映し出されていきます。
まるで万華鏡の模様が瞬時に変化するように。
その繰り返し。90分間頭の中は驚きと発見のせめぎあい。

スクリーンを見つめていると、何か頭の中でだけ考える理屈ではない、「もしかして真理・・?」というものがわかってきます。

正誤も善悪もないのだ。ましてや好き・嫌いも。

日々の忙しさ、ルティンワークはほんの大宇宙の中のささやかな一瞬にしか過ぎない。
人と人とが出会うことも、すれ違うこと、ぶつかること・・そんなこともささやかな出来事。

人類が進化して文明を築いた。
進化する、ということは宇宙の法則を読み解いた、ということだ。
地球上においてさまざまな生物がいて、その中の一つである人間が、ほかの生物ではなくまさしく人間と言えるためのたった一つのアイコンは何かといえば、愛なのだろう。

愛がなければ、人類は脈々と生命をリレーできなかったかもしれない。
愛をなくして文明を優先しても、人類の繁栄はないのではないか。
ただ大きくなってもほかの生物や現象とぶつかって、呑み込まれてしまうのではないだろうか。

この映画のめくるめく自然の有様を見て、それが畏怖をも超越したころ、そう思いました。

マイレージ マイライフ

2014-06-26 06:53:38 | 映画

私、映画はあまり見ないのです。今年に入って見た映画ってあったかなぁ・・・。ちなみに映画館には行ってません。
でも、サッカーと違って興味が全くないわけじゃないですよ。
何ででしょうねぇ。。「映画を見る」ということは、約2時間 拘束される、というのがだめなんですね。
そんなわけで、映画館に行くのは誘われるか、よっぽど見たい気持ちと自分の時間との折り合いがついたとき、くらいです。 
テレビで面白そうなタイトルの映画があった時には録画しています。でも、見ないことのほうが多い^^;

本日のタイトルの「マイレージ マイライフ」も録画はしたものの、そのまま埋もれてしまうのか・・?と思いきや、自分でも不思議と「見てみよう」という気になりました。途中でやめてもいいんだし・・と。

そうしましたら・・!ツボにはまってしまい、結局最後まで見ました。やればできるじゃん、私☆
映画を1本見通しただけで、すごい達成感。

リストラを言い渡す企業で働く男をとりまく、人生観、仕事観、恋愛観、家族観。それにまつわる悲喜こもごも。。興味深かったです。
出張三昧で、旅支度も手慣れたもの。空港でのセキュリティーチェック、ホテルのチェックイン。そういうシーンもワクワクしました。
マイレージを貯めるのが人生の目標、みたいな男。きれいに割り切れる考え方のできる主人公が、ストーリーが進むにつれて割り切れない思いにとらわれていくんですね。ホテルのバーで知り合った女性に本気になってしまう。女性は独身のバリバリのキャリアウーマンかと思っていたら、実は子供もいて旦那様もいて・・。これは見ている私もすっかり騙されました。あらまぁ・・ってなものです。
アメリカ映画にありがちなハッピーエンドではなかったけれど、最後は前向きな気持ちになれた・・かな?

曲も良かったです。冒頭に使われている ”This Land is Tour Land” がとっても!この曲に引き込まれてこの映画を全部見てしまった、といってもいいくらいです。
見終わった後、歌が聴きたくてまた最初から 再生しました^^

エンディングに使われている曲も詩がいいです。なんか身につまされました。