夕刻の一瞬、多彩な雲の層。こんなにきれいな空を見ると、絵はいらないような気がする。
ずっと見ていたいと思っても、すぐ変化する。そっか、絵にとどめればいいのか。
瞬間の印象をどう記憶するか、どう表現するかが楽しい悩み。
感動の数だけ絵が描けたらいいのだけれど、そうもいかない。
記憶はさほど正確でない。感動も永久に続く訳でない。
写真をとっておけばいいようなものだけれど、写真を見た時の心境はとりもどせない。
そう、写真と絵は、自分の関わり方が圧倒的に異なる。絵は自分流で通せる。
初めから終わりまで、自分の感動を引きずり続けて・・・
引きずり続けるとは決して悪いことではない。いつまでもおいしいを味わうってこと。
それが絵を描く原動力かもしれない。だから、感動との出会いも待ち遠しい。