自然のシャワーを浴びながら:パート2

定年後の主人と晴歩雨読の日々。同じタイトルのニフティのブログ の続きです。

増水の沢・ピンチ!

2019-08-30 | 登山ハイキング
一晩中風雨が続いた翌朝、睡眠不足の頭に岳沢小屋のスタッフの方から、ほんとに沢が渡れないかも……という話が……。
冗談では済まされなくなった14度と涼しい雨の朝のショックな出来事。
信じられないまま6時に食事をして、今日の予定の徳本峠小屋へキャンセルの電話を入れた。
徳本峠小屋へはいったん上高地へ下山後、さらに沢を3つくらい渡って標高2135mまで登るから、今日の天気では無理も無理。
大正12年にできた頃のままの小屋はこの徳本峠小屋だけで、ウォルター・ウェストンが見た同じ景色が見たかったけど残念。
後はいつになったら昨日は水が全くなかった沢を渡れるかということだけに。
昨日見れた景色が今朝はガスの中。
私とMちゃんとでまずキャンプ場へとつながる上の沢を偵察に行った。
近づくにつれ物凄いゴーゴーと流れる音がして、沢が豹変していた。これは上流方面。
下流方面もゴーゴーと勢いよく水が流れ落ちていた。
ひとり宿泊客のおじさん達ふたりは6時半には沢を渡ったので行けたみたい。
その後7時半頃男女のペアが小屋を出て行ったが、もう上はもちろん下の沢も増水して渡れなくなっていた。
談話室で待機中に色々わかって、男女のペアはガイドの男性と客の女性と分かった。
それでふたりが出発したら私たちもGOと決めていた。
9時15分頃二人が小屋を出て、落下を目撃した夫婦もすぐに出発したので、私たちも追いかけた。
問題の沢まで下るのだって昨日は水が流れていなかった山道なのに、沢になって足元を流れていた。
トラバースする沢はいつもは枯れている沢で、岳沢の直下と直上とを横断するような恰好で登山道をして使われているもの。
岳沢のスタッフのブログにはいくらメンテしても、増水後には跡形もなく消え去っているという。
ほんとに自然の猛威を直に感じたのだった。
ペアの男女はザイルで繋がって沢を渡り、夫婦ペアは夫が先に渡り妻のザックをしょって渡ってから、空身の妻の手助けをして渡り切った。
とても私たちには渡れないと悟り、沢の上部や下流に行って別の渡れそうな場所探しをした。
かれこれ小屋に戻るまでの1時間ちょっとの間探し求めたが、どこも川の流れは速いし、水量多いし無駄だった。
川幅のある場所をザックをしょったまま飛ぶか、比較的川幅が狭くても岩が傾いている場所だと滑って足を取られそうで。
悩みに悩んで小屋へすごすごと戻った。
女性スタッフが「渡れませんでした?」と意外そうな顔で迎えてくれた。
またみんなで停滞するか、午後になって水が少し引いたか見てから行くかなど……。
見かねたスタッフがタブレットの天気予報を見せてくれて、明日になってもこの雨は止まず降り続くし、明日の朝はもっとやばいかも……と。
それで男性スタッフが手助けするから今から下りたがいいという。
有難いお言葉で素直に従って、激流の沢を空身で手を借りて4人とも渡り切った。
こんな初体験が待っているとは思いだにしなかった。
相変わらず降り続く雨と風の中、昨日の逆で1番の標識からみんな無言で下山。
無事に3時間弱で上高地河童橋に辿り着いた時には、ほんとにホッとしたものだ。
帰りのバス便の変更をし、濡れた衣類を着替えて、2時半頃遅めのランチタイム。
こんな天気でも傘やレインコートを着た観光客が多くいたのは驚き。
食事をしている間にも外は大粒の雨が降り、時折強風が吹いていたので、下山してきてよかったと思えた。
たった1泊のハイクだったけど色々心痛もしたし、増水した沢の渡渉もあったし、実のある2日間だったと言える。
帰りのバスの中でも疲れを見せず、来年はどこへ行こうなど、おしゃべりしながら新宿へ戻ってきた。


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