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『日本の難点』(宮台真司)

2009-06-14 11:57:08 | 読書日記
 いじめはなくせるのか?
 「いじめ」とは、人の「自由」な日常的活動のベースになっている「尊厳」を、回復不能なまでに傷つけることで、以前と同じ生活を送れないようにしてしまうこと。
 このように定義づけられた「いじめ」であれば、「殆どなくすことができる」と言います。
 
 「いじめ」は殆どなくすことができると、親や教師が「本気」で考え、「感染」させること。
 人間はなぜか、利他的な人間の「本気」に「感染」します。「本気」で話されたことを「本気」で聞くという土台が子どもには必要。
 そのためには、国家(行政)は「個人の自立」を支援するのではなく、「社会の自立」を支援すべき。言い換えると、国は社会がそれなりに自立して回るように助けることに徹すべき。

 日本の農業・自給率は大丈夫か?
 「農家らしい農家」ないしそれに協力する人たちに、政府が直接支払する補助金政策へと転換する必要がある。
 農業保全→国土保全→社会保全→社会的コミットメント保全→内需経済圏保全→農業保全→・・・・という循環を回すことが必要。

 本当にスゴイ奴に利己的な輩はいない。東大でも霞が関でも一番優秀な連中あ軒並み利他的だからです。

 難解な作品でした。「はじめに」からして理解できませんでした。それぞれの「難点」については、理解しやすいものもあれば、とても理解できないものまでさまざま。
 しかし、この幅広い分野にわたる論点を社会学的観点から切りまくる筆力はすごい。
 もう少し、私が学術的力量が上がれば、もっとこの作品を深く理解できるのでしょうが・・・。
 精進がたりませんねえ。