抜かない歯医者のひとりごと

歯の健康は全身の健康につながる。渋谷で開業中の保存学認定医が、なるべく歯を抜かない治療にまつわるトピックを語ります。

ダンシがシンダ。

2011-11-27 | 歯科治療

落語家の立川談志が死にました。落語は志ん朝の方が上手かったですが、談志自身も、志ん朝の方が落語は上手い。でも、俺の客は、落語でなく、談志を聞きに来てるんだと、言ってました。天才ですね。

その談志が、自分は、かなりインプラントを埋めていると、エッセイに書いてます。このブログでも、前に触れたので、一部、重複します。

ひとりの歯医者は、《咄家‐はなしか》なんだから、歯なんか無くてもいいんだ。危険だやめろと言い、ひとりの別の歯医者が、それは古い。インプラントは今や自分の歯だ。快適に話し、食べなさいと言ったそうで、談志は、愚かにも、インプラントを埋めてしまったのです。

僕は、インプラントを全否定はしてないのです。
しかし、食道癌を患った、談志にインプラントを埋めるなんて、殺人行為です。もし、食道癌を患う前にインプラントを埋めたのら、食道癌を患ったとわかった時点で、医者と連係して、インプラントを除去した方がいいのです。

談志の性格をみても、規則正しく、毎食後、3分歯ブラシするタイプでないし、定期的に歯科に通い、口腔ケアもしなかったのではないでしょうか?
ましてや、談志は長く糖尿病でした。
咬合(噛み合わせ)の専門家の、前にも紹介した銀座の、親友の井出 徹君に言わせると、今、アメリカではインプラントは減っていて、施術は、きちんと、医者との連係の下で行わてるとの事。日本のように、ろくに歯も抜いた事もないそこらの歯医者がインプラントをする事はないそうです。僕も、歯を抜くよりインプラントの方が簡単だという声をよく聞きます。
それも、一理あるのですが、大切なのは、噛み合わせなのです。インプラントの後の、咬合とケアが、最重要事項なのです。

いわゆる、成人病の人、糖尿病、高血圧の人、80歳以上の老人にインプラントを埋めるなんて、殺人行為です。
噛み合わせの優れた、入れ歯の方がどれだけ快適に食べられるか…。

談志は、なぜ、最初の、《咄家‐はなしか》なんだから、インプラントなんてする事はないと言った、その優れた歯医者、洒落た、歯医者の言に従わなかったのでしょうか?残念でなりません!インプラントで死んだなどと馬鹿な事は言いません。しかし、インプラントをせず、口腔ケアを丁寧にしてれば、もう少し生き延び、声も早く失わず、過ごせたでしょうし、井出 徹先生のような、医学の知識のある歯医者に通えば、より快適に話し、食べられたでしょう。 つくづく残念です。

ただ、これは、談志だけの問題ではありません。
談志は有名人で、明るみに出ましたが…。
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