できるだけ歯を抜かないことへの、新たな拘り…。
(医学的評価と医者からの励ましも得て)
私の書いた【幻冬舎新書】と、
(この拙いブログの記述もあり、)
多くの人が、
やたらに、歯を抜いて(抜かれて)いる現実を、
改めて、再認識しました。
私の所には、ほぼ全国から(大学病院も含めて)「残すのは、難しい。」と診断された人が来ます。(相談も含めて。)
とりわけ、地方、それも田舎の人ほど、悲惨ですが…。
さてさて、またもや、また、《歯科大学の酷い診察を受けた患者さん》が私の所に来ました。 (ある意味、犠牲者です。)
《東京なのですが。》
10年近く通っている歯科医院で、4年前に終わった歯、金属を被せた歯が二本(歯)が腫れたということでした。
上の小臼歯と、下の奥の歯です。
で…
「うちでは、よく治せない、少なくとも、
抜かずには治せないので、
大学病院に行ってください。」
ということで、
昭和大学の歯学部の口腔外科に紹介されたのです
(真面目に記するので、 昭和大学歯学部の大学病院、と実名を出させていただきます。)
それで、昭和大学で、CTを撮って、
…
「上の小臼歯は抜きます。
下の奥歯は、残すには、膿の袋を取る手術をしなければならないので、
一泊か二泊入院してください。」
と言われたというのです。
で、その患者さんは、(30代の女性です。)
「あの、歯を残す方法は、それだけしかないのですか?」
と聞いたら、
その昭和大学の歯医者は、
「そうですね…。私は外科ですし…。」
と、答えたそうです。
で、私の所に駆け込み、私の診察を受けたのです。
まず、ここで、まず考えられないのが、
昭和大学のその歯医者が、
歯を残す専門の、
保存科の歯医者と相談、連携をしてないことです。
私も大学病院で教え、診療もしてましたから、その昭和大学の口腔外科の歯科医の対応の酷さが実感できます。
【まず、医科ではあり得ない対応です。】
癌の診察、診断、治療方針ひとつにしても、
内科と外科の連携が必要不可欠です。
《もちろん、医師の能力、病院の体制には、正直、差はあります。》
だから、【内科と外科の連携がしっかりした病院を、まずは選択しろ。】
と言われます。
歯科でも、同様なのです。
口腔外科と、(言うなれば内科の)保存科と連携しないなんて、
問題外、言語道断、
(非常識とも、私には思えます。)
不親切、不誠実です。
通常、医科ではあり得ない対応です。
《癌なら、死に直結するけど、
歯は死なないし、…抜けばいいか… …。》と考えているとしか思えません。
第一、
この昭和大学の口腔外科の歯科医は、
《CTだけ見せて、二度の診察で、
その患者さんの口をさらりと見ただけで、
歯を口を一度も触らなかった、触診しなかったというのです。》
私は、まず、患者さんの口、歯を、
見て、観て、診て…
触って、
直接、歯はもちろん、口腔内を触診します。
で、噛み合わせの音も聞いて、
口のにおい、(治療中なら、歯のにおいも)嗅ぎます。
とにかく、
昭和大学の対応は問題外としても、
昭和大学を紹介した、かかりつけの歯科医院の対応もおかしいです。
4年前の自分のした治療を、
《治療しなおすことなく、
レントゲンだけで、
昭和大学の歯学部、
それも、口腔外科に丸投げしたことです。》
【まずは、きちんと治療して、その結果、
その歯を残せない、 自分には難しいと診断したら、
大学病院なりに紹介するのが筋です。
『抜かなくても済むなら』と、紹介状に添えて。】
それを、
結果、CTだけ見せて、
「小臼歯は残せません。 下奥の大臼歯は、
残す、抜かないのなら、手術だ、入院だ…。」
なんて、メチャクチャです。
患者さんだって仕事もしてるし、たいへんです。
【誤解を恐れず言えば、その程度の歯の病気で、入院することはありません。
時間と金の無駄です。】
まずは、治療して、
そうなるのなら、許せますが。
《二度とも、CTを見た、見せただけで、
入院を指示する。》
なんて…
要は、なんにもしないで入院を指示したわけです。
まあ、医科では考えられません。
だから、歯科は駄目なんです。
ナメラレルのです。
医科の下に置かれるのです。
《歯医者は医者でないと言われるのです。》
私は、まず、残らない、残せないと診断?された、
上の小臼歯を、治療しなおし、(歯内治療です。)
{例によって、直径0、1ミリの針から、歯の神経に合わせ、計り、その神経(歯髄)に、慎重に通していくのです。
集中力のいる繊細な施術です。}
二度目には、その歯を残すべく、
抜かない手術(歯肉を剥がし切除して、骨再生手術)をしました。
で、残すのなら、入院すると言われた下の奥歯の方は、
【とにかく、まずは私が治療しなおすから、
入院するのは止めて、
とりあえず、断りなさい。】
と、説明、指示しました。
【私も、CTを診て、
とにかく、直接、治療しなおしますから。と。】
10年かかりつけの歯科医院も(4年前に自分が治療した歯を、
《なんにもしないで、 抜く、残らないと、
大学病院に丸投げして、
紹介された大学病院の歯科医師も、
なんにもしないで、 1本(歯)は、抜き、 1本(歯)は、
入院を勧める。》
【おそらく、間違いなく、
私は、2本(歯)とも、
抜かず、(もちろん) 普通に噛めるように治せるという自信と読みと、自負はあります。
(医学的にも)そう自負しています。】
その勉強と、日々の修練と、治療技術(スキル)は磨いています。
(それはそれは相当の、息苦しい位の、プレッシャーと、
時に、大きなストレスはありますが。)
よく見て、観て、診て、聴いて、嗅いで、直接触って、(舐めることはまずありませんが)
【五感を駆使、集中して、…プラスアルファー、
その第六感を加えて。】
昭和大学の歯科医師は、個人の資質もあって、
(私は、昭和大学の優秀な歯科医師もたくさん知ってます。)
そんな不誠実な対応をしたのでしょう。
しかし、他科との連携もせず、
ただCTを見るだけでは、
患者さんはもちろん、
紹介する方もたまったものではありません。
患者さんはもちろん、 信頼して紹介もできません。
患者さんはもっとたまったものではありません。 《患者さんは犠牲者です。》
昭和大学歯学部においては、3~4年前、
歯科医師会が、紹介するにあたり、
「もっと、しっかり受け入れ体制を整え、学生から教育を厳しくして欲しい。」
と申し入れた、という話を聞きました。
昭和大学歯学部の方も、学部長等、真面目な上の人が、てこ入れをする、
と応えたといいます。
まだ、浸透していない部分があるのでしょう。
[東京歯科大学等は、かなり、厳しい勉強を課していると聞いています。]
不誠実な人がいると、真面目な優秀な(目立たない地道な)学生が、その煽りを食らうのです。
… 思うに、(何の治療もされず、CTなり、レントゲン写真だけで、)
紹介した歯科医院を信頼し、
大学病院の指示に従って、
《もちろん、普通は大概、間違ってないのでしょうが、》…今回のようなことはレアケースなのでしょうが、…
とはいえ、
そのまま、歯を抜いて(抜かれて)
(時には入院?までして)歯を失う、失っている人もたくさんいるのだろうなあ… …。
と、考えると、なんか、そら恐ろしいものがあります。
私は、最先端の歯科治療と称して、
大学病院の歯科や、
何か高そうな開業医や、
《なんとかデンタルオフィスやらが、》
テレビや雑誌等で紹介されているのを、時に見ます。
それも、歯の大切さをアピールするのに、必要で大切でしょう。
しかし、大学病院は、とりわけ、歯科は、
教育、人材育成こそが、最重要な課題だと思います。
【優れた人材こそが財産なのです!】
{アメリカでは、歯を残すのとインプラントは、ほぼ同額です。}
但し、アメリカはお国柄保険制度が貧弱で、格差がヒドイので、
金のない人は、歯を抜いたままか、
格安の入れ歯をカシャカシャはめてます。
日本の保険制度はしっかりしていますが(徐々にアメリカみたいになっていますが。)
歯科の保険は医科の半分位です。
《歯を残す治療と、インプラントでは、40倍以上の差です。》
手間暇と、ストレスもプレッシャーもある歯を残す治療より、
抜いた方が、コスト的にも、ずっと楽です。
で、治療技術(スキル)がなければ、大学病院に紹介です。
大学病院の方も、(大学病院の名のもとに、
やはり、抜く方が手っ取り早いです。
大学病院の方も、インプラントは稼げますし。
(歯科の保険点数は低いので、大学病院でも採算が合いません。)
人間、そこに銃があると打ちたくなるように、
《そこにインプラントがあると歯を抜きたくなることもあるのです。》
私もそうですが、ヤってみたいとか、野心とか、色気とか、誰にでもあると思います。
もちろん、(私など、そこらの凡人ですが、) 概ね、大多数の歯医者は、真面目に真摯に(紳士的に)治療に取り組んでいます。
ただ、まあ、中には、見識のない人もいるわけです。
私の所には、(相談、セカンドオピニオン、それなりの悩み、歯科医への不信感を持っている人が、)来院してくれるのですが、
【なかには、普通の、ごくごく普通の通常の治療をしていれば、抜くことはあり得ないというレベルの人も、少なからずいます。いるのです。】
開いた口がふさがらないレベルの人も。
遠くから来てくれる人も多く(恐縮します。) 「本当に、《抜きます》と言われたんですか?」 と、何度も何度も
再三確認するレベルの人も。
【ああ、其なりに、満足している人は、このレベルの何でもない歯を抜いて(抜かれて)いるのか。】
―多くの人が… …知らぬ間に。残る歯を…歯をなくしているんだ。
抜いて(抜かれて)いるんだ……!
溜め息です。
【でも、信頼関係も不可欠だし…
正直、本当に悩みます。悩んでいます。】
(閑話休題)
さて、私の拙著、宣伝して、すみません。
【幻冬舎新書】ですが、
医学部、歯学部、また医者、歯医者の友人、知り合いは言います。
…「サイトウの本だけど、医科と違って、歯科は狭いし、狭量な世界だから、
サイトウの本にあまり反応しないんだよ。
アンチ巨人も巨人ファンのように、
サイトウの本が読まれない(売れない)方がいいからさ。
要は、反応せず、当たり障りなく…
無視してた方が… …。
サイトウの本が読まれないからな。」
私はインプラントを全否定するものではありません。
しかし、雑誌に(広告料もそれなりでしょう。)
インプラントの宣伝は多々、見受けられます。
真摯にインプラントに取り組んでいる人は、実際、(反論はあっても、)
私の本も理解してくれてます。
ただ、【インプラントは最終兵器です。】
義歯の仲間です。
(コンタクトレンズがメガネの仲間同様に。)
認知症になったら、インプラントのケアはたいへんです。{インプラントは悪徳歯科医のドル箱です。}
義歯も良くなっているのです。
こんな詩の一節が思い浮かびます。(蟷螂の斧ですが。)
【目的に向かって走るのが人間の速度なら、
使命に向かって走るのが人間の魂だ!】
私はできるだけ歯を残します。