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黒柿頭丸スリゲル頭部の再生

2014年06月16日 | 時計

やはり、頭の部分が淋しい「精工舎 黒柿頭丸スリゲル」。

悩んだ末、意を決して再生作業に取り掛かることにし、先ずは木片の切り出しから。

実際、残っている右側半分の構成を観るといくつかの木片で構成されていることが分り

それとまったく同じ構成ということで、4つのパーツに分けて再生して行く。

削っては合わせ、削っては合わせの工程を繰り返し、ほぼ形に成って来たところで接着し

左右のバランスを観ながら微調整を掛ける。

次に塗りの工程へ。手持ちに「本漆」がないため「カシュー漆」での塗り作業。

一旦、漆塗りが終わって乾燥したところで凹凸や刷毛ムラをサンドペーパーで全体を滑らかにし

再度、漆塗りを施しこれでとりあえずは再生は完了。そして組み付け作業。

序に下宮の黒柿の小口も欠損していたため新規に作成し取り付ける。

「黒柿頭丸スリゲル」には頭の両肩の部分に、本来擬宝珠が存在したことと、下飾りにも一つ擬宝珠が存在する。

後、大きな特徴である頭頂部の梟飾りも存在するのですが、今回はこの状態まで。

しかし、ここまで再生しただけで以前とは印象がまったく違い、デザイン的にも満足できるレベルに達したと思います。

因みに当時(明治期)、精工舎ではこの頭丸を「上スリゲル」、通常の宮型を「並スリゲル」と表現していたようです。

左「並スリゲル」×2&右「上スリゲル」

 

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