古物商  showa 土花亭

          効率性や利便性だけで埋め尽くされた今の時代。少しだけ時計の針をゆっくりと進めてみませんか。

ブラザー工業製タイプライター

2017年05月28日 | 雑貨

ブラザーと言えばミシンなのですが、国産化ミシンで成功を収めたブラザーがミシンで培った技術で

タイプライターの製造に乗り出したのが1950年代。

やがてタイプライターの世界シェアNO1までのぼりつめた時期もあった「ブラザー工業製タイプライター」

そんな初期型がshowa 土花亭へ。

当然?ですが不動の状態で上蓋も欠品状態。

それを何とか可動するまで甦らせる。

モデルは「BROTHER DELUXE 233」

金属製の外装にプラスチック製のキーが備わる。

コーションプレート。

無事にタイプ出来るようになった、最もタイプライターで美しいとされるハンマー部分。

リボンの劣化もあり少し印字が薄いもののちゃんと機能する。

デザイン的には海外のタイプライターには劣るものの国産色が漂う。

ブラザー工業製タイプライター/価格応談。

 

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精工舎スリゲル・ペキン

2017年05月11日 | 時計

時計続きで恐縮です。。。それも精工舎のスリゲル。

今回ご紹介するのは精工舎スリゲルの明治期から大正期にかけて製造された「世界の都市シリーズ」の内の「ペキン」。

今では大変希少なこのシリーズが入荷した時はみすぼらしい姿でした。

全体的に薄汚れた不動機。上宮飾り(破風)は真っ黒で下宮飾り(上戸)は欠品。

特徴的な「銀文字盤」もご覧の有り様。

早速、不動原因と思われる心臓部(ムーブメント)のチェックです。

香箱入り発条の15日巻き。時打ちと半打ちが備わる。

色々と診断している内に時計側は問題なく動くものの、時打ち側は香箱の中でゼンマイが切れている事が」判明。

ゼンマイさえ入れ替えれば時打ちも甦るのですが残念ながら当方には香箱用のゼンマイの持ち合わせがない・・・。

せめて時計側を動かすことと、出来るだけ綺麗な状態にして上げることを目的に作業に取り掛かる。

背面には意匠登録の「9972号」の刻印。

下宮欠品部分にはエディションナンバーと思われる丸に20の文字。

ムーブメントは外箱に似合わずとても小ぶりであるものの香箱入りはやはりスッキリとしていて美しい。

サイドのスリゲル部分から覗くムーブメントと、その裏面に備わる渦リン。

そして、この「ペキン」の売りのひとつ、豪華な振り子室。

上宮飾り(破風)のレリーフも綺麗に仕上げ、文字盤も本来の輝きを取り戻さす。

長振りの振り子は非常にユックリと正確に時を刻む。

残念なのは時打ち以外もこの下宮飾り(上戸)が欠品していること。

いつか適当な欅材で復元したいところです。

そして、こちらが最終型(大正12)のカタログ。上宮飾りの上端が少し異なりますが同じ「ペキン」。

精工舎ペキン: 明治44年~大正12年(関東大震災)まで製造。(世界の都市シリーズ)

 

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精工舎スリゲルシリーズの救出

2017年05月03日 | 時計

出先で珈琲を飲みに入った「古道具と珈琲屋」さんで売りに出されていた精工舎のスリゲルシリーズ。

このスリゲルはたまに写真で見たことはあるのですが、カタログ上にものってなく多分、昭和初期頃になり

モダン路線に転換した頃の「スリゲル20号後半」の時代と思われる。

現状では時計側の発条に問題があり、時計修理屋に出すと相当な費用が掛かるということで

ジャンク品として安値で売られたいた。

早速、救出し持ち帰り修理に取り掛かる。

機械自体は綺麗な状態ではあるものの時計側の発条(ゼンマイ)に確かに問題がありゼンマイが巻けない。

かと言ってゼンマイが切れてはいない。。。

小一時間ほどの格闘の末、何とか修理を終えゼンマイを巻く。

(この段階で決して巻き切ってダメです。長年、伸びきったゼンマイを一気に巻くと切れる場合があるため。)

慣らし運転中にケースや文字盤のクリーング。

ケース裏には精工舎の時計にたまに見られる「意匠登録出願中」の焼き印。

セルロイド製文字盤のベース部の裏面には「昭和23年9月21日」の書き込み。

これについては時代が合わず多分、修理過程における日付けの書き込みと思われる。

ケースにセットし壁に掛けた状態での調整及び慣らし。

先ほども書いた通り、大正期から始まった「スリゲルシリーズ」も昭和初期に入ると宮飾り等も廃止され

飾りの部類も取り除かれ、シンプルかつモダンなデザインへと移行して行く。

セルロイド製の文字盤や振り子、そして欅製のケースは受け継がれるものの、特徴的なユンハンス型の剣などは

シンプルな物へと変換。

どちらかと言うと振り子室の扉にデザインの場を求めてゆく傾向となった戦前の昭和初期。

下は昭和8年の精工舎のカタログ(スリゲル24号~28号)

この辺りの時代の筈が中々、この機種がのっているカタログが見当たらない。。。

精工舎スリゲルシリーズ:セルロイド文字盤・八日巻き・時打式/製造:昭和初期

 

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