古物商  showa 土花亭

          効率性や利便性だけで埋め尽くされた今の時代。少しだけ時計の針をゆっくりと進めてみませんか。

Pewter/錫製器の手入れ

2024年07月19日 | 雑貨

通常、錫製器の手入れは中性洗剤で十分なのですが、どうしてもその柔らかい特性上、傷やくすみが出易い。

ネット等では「重曹と中性洗剤」でペーストを作り、それで磨くと良いとさせるがそうは簡単には奇麗にならないのが常。

早速、傷やシミはペーパーで均して行き、重曹ではない他のモノで磨いて行く。

磨き終わったところで中性洗剤で洗い、水気をよく切って布巾等で乾拭きすれば、お手入れは終了です。

あまり磨き過ぎて鏡面になっても錫独特の鈍い輝きが失われますので、加減が重要です。

 

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同じ「ぞうげ」でも

2024年03月08日 | 電話機

数多くの4号A卓上電話機のカラー電話機を触って来ましたが、「ぞうげ」に限り製造メーカーによる色合いの違いが

顕著のように感じる。当然、艶落ちや経年に依る色焼けがあるとしても、他のカラー電話機はこれ程はない。

左が「沖電気製ぞうげ」で右が「日立製作所製ぞうげ」。

両機共メーカー揃いの個体ではあるが、左の個体はほぼ艶落ちもなくコンディションは極上に近いため、本来の「ぞうげ」

とはこの色合いが近いのかも知れない。

 

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ADERIA

2024年02月13日 | ガラス

一時期、復刻版が製造されたりで何故か再び、人気が出だした「石塚硝子㈱」のアデリア。

これは復刻版ではなく、昭和の当時物のアデリア。

ほぼ未使用状態ではあるものの、当時の製造過程の問題で少し精度や仕上がりは落ちる。

それも又、昭和の味ではあるのですが・・・。

 

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さくら印炭火アイロン

2023年11月17日 | 雑貨

明治中期から戦後まで使われていた「炭火アイロン」。始まりは明治中期に英国より伝わったとされ

1915年に国産電気式アイロンが発売されるも当時、未だ室内の壁面にプラグを差すコンセントも普及しておらず

その高価さ故に30年間も普及せずに「炭火アイロン」が戦後まで活躍し続けた。

「さくら印」の炭火アイロン。さくらのペイントも当時のもので、しっかりと残っています。

炭火の火力調整用の給気口もさくら。ちゃんと回転可動します。

炭火投入の目皿も現存。

アイロンとしての機能上、最も重要な部分。それは船形の底金の状態。

先端部分はもちろんのこと、ベース面も奇麗な状態で使用には問題ない状態です。

 

「さくら印の炭火アイロン」/価格応談

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電話機の山買いからの救出、そしてエリコフォン

2023年11月09日 | 電話機

オークションにてゴミの山のような電話機の山買いの後、使えるモノ、部品のみを保管するモノ等仕分けをし

4機の「4号A卓上電話機」を何とか救出し、クリーニングから整備、通信テストを終える。

この一連の作業はたまにはあるのですが、今回は「掘り出し物」が一つ。

何と、「ニューヨーク近代美術館」にも収蔵されているエリクソン社の通称「エリコフォン」若しくは「コブラ電話」と呼ばれる

希少な電話機が・・・。

1940年代後半、スウェーデンのエリクソン社でデザイン製造された当時としては画期的な「一体型電話機」。

1954年から量産に入りヨーロッパやオーストリアで販売。1960年代に入りアメリカ市場でも販売されるようになる。

ベース裏部分にダイアルとフックスイッチが収まり、発着信の折にはテーブルから電話機を持ち上げることとなる。

当然、クリーニングと整備を行い通信テストも終えているのですが、始めて聞く例の「トランジスタ発振回路」による

呼び出しブザー音はベルとは違い、古い電話機にしては違和感がある。

ただ、今から75年も前にこのデザインを考案したエリクソン社には驚かされる。今でも使えることも驚きですが・・・。

 

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