オークションにてゴミの山のような電話機の山買いの後、使えるモノ、部品のみを保管するモノ等仕分けをし
4機の「4号A卓上電話機」を何とか救出し、クリーニングから整備、通信テストを終える。
この一連の作業はたまにはあるのですが、今回は「掘り出し物」が一つ。
何と、「ニューヨーク近代美術館」にも収蔵されているエリクソン社の通称「エリコフォン」若しくは「コブラ電話」と呼ばれる
希少な電話機が・・・。
1940年代後半、スウェーデンのエリクソン社でデザイン製造された当時としては画期的な「一体型電話機」。
1954年から量産に入りヨーロッパやオーストリアで販売。1960年代に入りアメリカ市場でも販売されるようになる。
ベース裏部分にダイアルとフックスイッチが収まり、発着信の折にはテーブルから電話機を持ち上げることとなる。
当然、クリーニングと整備を行い通信テストも終えているのですが、始めて聞く例の「トランジスタ発振回路」による
呼び出しブザー音はベルとは違い、古い電話機にしては違和感がある。
ただ、今から75年も前にこのデザインを考案したエリクソン社には驚かされる。今でも使えることも驚きですが・・・。
4号カラー電話につきまとう発色の劣化。。。
これについては所有者の皆様の長きに渡る悩みの種ですね。
最近のWikipediaなどでは「黒以外の塗装・・・」などと書いてありますが、ご承知の通りコレは全くの誤りで
ベークライト(フェノール樹脂)に色粉を入れ成型されたもの。(古い洋服のボタンなどと同じ)
ベークライトの特製として経年とともに色が濃くなる特製があるようでその分、通常の黒電話の劣化度は
少ないように感じ、既に70年ほど経った黒電話でも色艶の良い個体も見掛ける。
一方、カラー電話の場合(特にわかくさ色とふじ色)、色艶の落ちようが顕著に感じられる。
一説には「酸化」によるものと言われていますが確か、ベークライトは耐酸性は強い筈。(逆に耐アルカリ性は劣るとされる)
写真のような「白く粉」が吹いたような現象がよく観られ一旦、ケミカル等で落とし切ったかに思えても
やがて又、時間が経つと発生する。
悩ましき問題ではありますが、既に半世紀以上70年近く経過している物。
ある程度は妥協しなくてはいけないのかも知れません・・・。
当ブログの8年ほど前の「4号黒電話」のブログ記事にコメント欄より、お問い合わせを数件頂きましたが
全て同じ方でしょうか?
ご指定のメールアドレスへ返信しようとしても当方のPCでは返信できないようです。
又、お名前も頂いておりますがその他、住所連絡先の記載をお願いします。
そして「程度良好な個体」とのご要望も頂いておりますが、もう少し具体的なご要望をお教え下さい。
①旧電電公社エンブレムをご希望なのか各メーカーエンブレムをご希望なのか
②送受話器コードはストレートコードをご希望なのかカールコードをご希望なのか
③本体、送受話器、内部機械 全て統一メーカーでなくてはいけないのか
④外観さえ良好であれば機械的には拘らないのか、逆に通常使用においての良好さを求め
外観は拘らないのか
後、8年前の記事の販売価格設定は現在のものとは違いますことと現在、お渡し出来る4号黒電話機は
2.3台ほどしかなく条件が限られますことご了承願います。
先日、お問い合わせ頂いた「4号A自動電話機用カールコード」について、画像までアップ後一週間経過しますが
未だご連絡頂けませんので、キャンセル扱いとさせて頂きます。
当ブログを観て、冷やかし半分で「譲ってくれ」とのコメントも頂きますが、今後はファーストコンタクトの段階で
住所・氏名・連絡先等の記載がない場合は一切、対応いたしませんので宜しくお願いいたします。
「市内通話は3分で切れます」
このダイヤルラベルについては「5号A卓上公衆電話(赤電話)」で見受けられますが、何故か「4号A」に
装着されたものが入荷。
どういう理由でこのラベルなのかは不明ですが、本体のメーカーエンブレム又は電電公社エンブレム用の穴も開いておりません。
通常、本体ケースのエンブレムについては当初より買取りの場合は「メーカーエンブレム」。
貸与の場合は「電電公社エンブレム」で後年、使用者が買い取った場合は「電電公社エンブレム」を外し
2ケ所の穴を埋めるというのが正式だった筈です。
多分、この個体は別付けの料金箱が接続され、公衆電話的な使われ方をされていたのかも知れません。