伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

犯罪被害者保護法制解説{第2版]

2008-11-22 01:25:54 | 実用書・ビジネス書
 犯罪被害者基本法をはじめとして、犯罪被害者保護法、刑事手続への被害者参加制度、犯罪被害者等給付金支給法などの犯罪被害者保護に関する法制度の解説書。
 比較的薄い本でたくさんの法律を解説し、被害者保護関係の法律をハンディに学ぶという観点では優れもの。しかし、説明がほとんど法律の条文・法律用語そのままで、法律実務家や学者以外の読者にはかなりハードルが高いと思います。
 著者が犯罪被害者保護立法運動の中心にいた弁護士ですから、立法の経緯や必要性に関する説明は簡潔でありながらきちんと書き込まれているように思えます。
 他方、弁護士向けという観点からすると、法律の説明に終始していて実務的なノウハウはほとんど書かれておらず、そこは不満が残ります。犯罪被害者給付金制度などは、ただ煩雑で計算が難しそうという印象になってしまいますし。
 刑事手続への被害者参加制度は施行直前ですし、他の法制も多くが改正法施行前後というタイミングは、勉強したい需要にはマッチしているものの、事例の集積がなく実務的な話が書けないということになるのは仕方ないと言えますが。


高井康行、番敦子、山本剛 三省堂 2008年10月10日発行 (初版は2005年)

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